教育旅行が本格化、若松で受け入れ進む 「密」対策へ3Dカメラ

 
3Dカメラが数えた大浴場の利用者数やロビーの混雑状況を確認できるタブレット端末の画面

 会津若松市で修学旅行や遠足など、教育旅行の受け入れが本格化している。新型コロナウイルスの「感染確認ゼロ」が続いていたことで、新たな旅行先に選ばれている。一方、8月19日以降は感染確認が相次いでおり、関係者はこれまで以上に感染対策に力を入れ、子どもたちを迎える。

 「大浴場が混んでいるか聞かれても即答できなかったが、これならすぐに分かる」。3日に宮城、新潟両県の五つの小学校の児童計約150人が宿泊した会津若松市東山温泉の温泉旅館「原瀧」総支配人、平賀茂美さん(65)はそう言うと、手元のタブレット端末に目を落とした。

 画面には大浴場を利用中の人数が表示されていた。男湯、女湯の出入り口付近にそれぞれ設置された3Dカメラが自動で人数を数える仕組みで、開発した会津大発のベンチャー企業、会津コンピュータサイエンス研究所と共同で実証実験を行っている新技術だ。

 人数は専用のサイトで確認できる。原瀧は実験で精度を確認できたら、目立つ場所にQRコードを張り出し、利用客自ら「密」の状況を確認できるようにする考え。旅館の入り口には、同研究所開発の非接触型の体温計も設置。旅館に到着した児童は手指を消毒、体温を測定すると足早に客室へと向かった。

 同研究所の体温計と3Dカメラは、市も鶴ケ城に導入。3Dカメラは近く本格運用が始まる見込みだ。

 鶴ケ城などを管理運営する会津若松観光ビューローによると、今春の修学旅行をはじめとした教育旅行は大半がキャンセルになった。だが、日程を秋に延期したり、行き先を東京方面から会津に変更したりした学校があり、9~12月は予約が多く入っている。

 一方、8月に同市で初の感染が確認されて以降、教育旅行を手掛ける会社から感染状況に関する問い合わせが相次ぎ、中止した学校も1校あった。秋の教育旅行への期待が大きかっただけに、関係者は各施設への非接触型体温計の導入を進めたり、マスクの着用徹底を改めて呼び掛けたりするなど、感染対策に気を引き締めている。

 市の担当者は「新技術も活用し、安心して旅行を楽しんでもらえる態勢を整えたい」と話す。

 この日、鶴ケ城や原瀧を訪れた宮城県の小学校の校長(55)は「地域全体で一生懸命対策しているのが伝わってきて安心した」と話した。同校の児童(11)は、学校で中止になった行事があったことに触れ「修学旅行ができてとてもうれしい」と笑顔を見せた。