客足激減、対策に苦悩 郡山・接待伴う飲食店、クラスター影響

 
郡山市中心部の飲食店街。客を待つタクシーの列ができ、人通りは少なかった=4日午後10時ごろ、郡山市駅前

 郡山市のホストクラブで今月、新型コロナウイルス感染症のクラスター(感染者集団)が発生したことを受け、県内の接待を伴う飲食店経営者らは苦悩を深めている。客と密に座って飲食するため感染対策が難しいと指摘されているだけに、店経営者からは「業態上、できることは限られてしまう」などの声が上がる。

 ホストクラブでは経営者や従業員ら5人の感染が確認された。濃厚接触者だった知人女性2人の感染も判明した。市保健所が店の感染症対策については調査しており、県のアドバイザーを務める金光敬二福島医大教授は「それぞれの業種にできる対策が必要」と指摘する。

 郡山市でスナックなど5店舗を経営する男性(57)はクラスターが発生したことで「これからさらに客足が遠のくのではないかと、戦々恐々としている」と話した。休業要請後の売り上げは前年の7割ほどまで戻ったが危機感を募らせる。

 男性が経営するスナックでは、長いすにテープでバツ印を貼ってソーシャルディスタンス(社会的距離)を確保したり、従業員がマウスシールドを着けたりと対策を取っている。クラスターの発生を受けて対策の強化を検討したが「これ以上の対策といっても、入店前の検温くらいしか思い浮かばない。旅館のように、来店客に名前や住所を聞くというのも現実的ではない」と悩む。

 会津地方では長く「感染者ゼロ」が続いていたが、8月19日に会津若松市で感染が確認されて以降、感染確認が相次いだ。市内でスナックを経営する男性(62)は感染対策について「とにかく消毒しかない」と話す。感染対策を取り営業しているというが「いくら感染対策をアピールしても夜の客足は極端に減っている」と嘆く。

 「うちもそうだが、店を継続するためには従業員の人数を減らすしかない。出勤の日数を週3回から1回に減らしたり、当分の間は休んでもらったり」。男性の言葉には苦悩がにじんだ。

 「安心材料を」

 福島市でスナックを経営する女性(48)は利用客の正面に立たないよう意識していても、いつの間にか正面に立っていることがあるという。「対策が難しい接客業だからこそ、PCR検査を受けやすくするなど、感染した場合に早期に分かる仕組みがあれば安心材料になる」と訴えた。