「震災・原子力災害伝承館」双葉に20日開館 記憶...風化させぬ

 
震災前の生活や復興の歩みを紹介する映像を観賞できるエリア=5日、双葉町

 震災と原発事故の記憶や教訓を後世に継承する県の施設「東日本大震災・原子力災害伝承館」が双葉町に完成し、5日、報道機関に公開された。展示資料や映像、語り部による講話などを通じて記憶の風化を防ぐ。20日に開館する。

 施設は地上3階建てで延べ床面積は約5300平方メートル。震災、原発事故の時系列に沿って六つのエリアに分けられている。関係資料の収集と保存、人材育成などの事業も手掛ける。

 当初、東京五輪・パラリンピックの開催に合わせて今夏の開館を目指していたが、新型コロナウイルスの影響で遅れた。

 伝える...過酷な複合災害

 東日本大震災・原子力災害伝承館には震災、原発事故による過酷な状況を伝える約150点の資料などが展示されている。

 木材をふんだんに使用した施設。展示の導入として7面の巨大スクリーンに原発事故直後の様子や復興の歩みなどを記録した映像が映し出された。続いて語り部が登場し、長期の避難生活を余儀なくされる住民の姿や寄せられた支援への感謝の思いを語った。

 続く展示ゾーンでは原発建設の歴史や事故直後の混乱ぶり、復興の歩みなどを伝えており、事故を起こした福島第1原発の模型や防護服、除染廃棄物を詰める袋「フレコンバッグ」などが置かれている。

 県の担当者は「県内だけでなく国内外、幅広い年代の人に複合災害を『自分ごと』として捉えてもらえるようにしたい」と施設の意義を強調した。