そばの里・山都『模索』...観光客が減り在庫 ネット販売も強化

 
新型コロナウイルス感染症の影響で在庫として残った玄ソバの一部=喜多方市山都町

 新型コロナウイルス感染拡大の影響で観光客が減少したことを受け、ソバの産地として知られる喜多方市山都町の生産農家や業者らは在庫として残ったソバの消費に苦慮している。市や商工会などは消費を促進しようと新たな「そばまつり」の開催やインターネット販売に力を注ぐ。新ソバ収穫前の販売完了を目指した模索が続いている。

 在庫となっているのは「雪室熟成そば」と呼ばれるソバ。秋ごろに収穫し、雪を活用した冷蔵施設「雪室」で保管していたものだ。主に町内にあるそば店やイベント会場での消費を見込んでいたが、5月の連休中などに訪れる観光客が激減したため残ってしまった。

 そこで新たに「第1回雪室熟成そばまつり」を7月から始め、販売強化に乗り出した。感染対策も徹底するため「3密」を避け、短期間に一つの会場とはせず、町内にある14のそば店を会場とした。また、開催期間は長期間の9月27日までとした。

 主催する実行委員会委員長の鈴木勝さん(71)は「20年後も山都がそばの里として残るためには時代に合った方法に変え続けなければならない。山都にそば店が多いからできることだと思っている」と話し、試行錯誤が続いている。

 関係者が焦るのには理由がある。新ソバの収穫時期が迫っており、雪室でソバを保管ができるのは市内で一つ。消費が進まないと保管場所が減るほか、買い取り業者が生産農家から購入するソバの量を減らしたり、価格が下がったりすることが想定されるからだ。

 市は感染症の影響で町内に足を運べない観光客のために、ソバをインターネットサイトで紹介し、購入者の送料を負担する取り組みを進めている。市の担当者は「山都のそばをなくしたくない」と力を込める。