「近づかないで」...湖畔は物々しい雰囲気 猪苗代湖で水難事故

 
現場付近で船などを調べる捜査員ら=6日午後4時30分ごろ、会津若松市の猪苗代湖

 「大変なことになった」「人が沈んでいる。近づかないで」―。会津若松市の猪苗代湖で6日午前に起き、千葉県野田市の男児(8)が死亡するなど4人が死傷した水難事故。レジャー客でにぎわう湖畔は助けを求めたり、注意を呼び掛けたりする声が入り交じり、物々しい雰囲気となった。

 現場近くのロッジの従業員によると、死亡した男児の家族とみられる男性がロッジに駆け込み、助けを求めた。救助された人は毛布にくるまれ、救急車が到着するまで桟橋で横になっていたという。

 救助活動を見守っていた会津若松市の50代男性は「気が動転していたのか、男性は桟橋で立ち尽くしていた。遊びに来て、こんな悲惨なことになるなんて」と表情を曇らせた。

 事故が起きた猪苗代湖の中田浜は、毎年夏になるとモーターボートや水上バイク、湖水浴、キャンプなどを楽しむ多くの人が訪れる人気スポット。人の出入りが多いことから、以前から水難事故などの発生を危惧していた地元住民らの声も聞かれた。

 10年以上前から猪苗代湖でボートを楽しんでいるという会津若松市の50代男性は「遊びに夢中になって注意を怠ってしまうのか、基本的なルールを守らない人も多い。(ボート同士が)衝突しそうになったことが何度もある」と振り返った。近くに住む40代男性は「泳いでいる人がたくさんいる。注意を呼び掛けてほしい」と話した。

 近くに住む70代女性は、水上バイクをつないだ車が自宅近くの狭い道路をスピードを出して走るため、怖い思いをしたことがあるという。「離れて暮らす孫を猪苗代湖で遊ばせたいが、呼びにくい」と顔をしかめた。

 死傷した4人は遊泳中、クルーザーに巻き込まれたとみられる。会津若松署はクルーザーの乗員に事情を聴くなどして原因を調べており、業務上過失致死傷の疑いも視野に捜査している。