「県の準備不十分」 東日本台風第三者委、初動対応で人員不足

 

 昨年10月に発生した東日本台風(台風19号)に関する県の災害対応を検証する第三者委員会は7日、「発災前に準備しておくべき取り組みが不十分だった」とする報告書案を大筋でまとめた。初動対応で必要な人員が不足していたほか、情報の収集・整理で混乱があったとし、情報収集分析機能の強化や対応手順などを確立するよう県に求めた。

 県庁で最終会合を開いた。第三者委は今後、報告書をまとめて県に提出する。県は実行可能な改善策から順次、着手する方針だ。

 報告書案では、住宅被害認定調査の開始に向けた市町村支援の着手が遅れたほか、物資支援の対応についても当初、混乱が見られたなどと指摘。「県の説明では大きな支障を生じさせることなく災害対応がなされたとのことだが、災害対応の8割は事前準備が可能」とし、迅速な対応につながる取り組みを求めた。

 また、発災時の被害情報を的確に把握するため、県の連絡員を市町村に派遣して会員制交流サイト(SNS)を活用することや、地理情報システム(GIS)を含めて県と市町村、関係機関で共有できるシステム構築も重要だとした。

 台風19号と記録的大雨により、県内では計33人(福島民友新聞社調べ)が犠牲となった。県のまとめでは死者の6割以上が65歳以上の高齢者で、「避難行動要支援者名簿」が活用されていない課題もあった。

 報告書案では、要支援者名簿を関係機関で共有する取り組みや、社会全体で支援する体制の必要性を明記。また、避難情報をきっかけとした避難が少なかったことから、雨量や河川の水位などを踏まえた切迫感ある情報発信を要請。平時から避難行動を考える「マイ避難」の推進や、新型コロナウイルス感染症を踏まえ、マスクや消毒液の備蓄などの感染症対策も提言した。