「農産物の安全性担保と説明必要」 福島大食農学類・小山教授

 
震災10年を前に、本県の農業が抱える課題などを語る小山教授

 福島大は7日、福島市で講演会を開き、小山良太食農学類教授が、6カ月後に迫る東日本大震災から10年の節目を前に本県農業の復興施策や現状を紹介した。風化の懸念も指摘し「10年を総括して農産物の安全性が体系的に担保されていることを国民、諸外国に説明する必要がある」と述べた。

 講演会は、震災と原発事故後の本県農業の復興に向け、同大を中心に県内外の大学・高専8校が連携して研究成果などを共有する任意団体「復興農学会」の共催。オンラインで開かれ、約25人が参加した。

 小山氏は「福島の農業再生10年を検証する」との演題で、流通や産地の取り組みなどを解説。流通に関しては、営農再開までに時間がかかった分、市場構造が変化し、県産農産物が市場に参入できなくなったと風評被害の背景を分析した。

 牛肉やコメなどが全国平均と比べて安値で取引されている現状も言及。「(全国平均から)下回った分は賠償されるが、この賠償制度が変わったら経営は成立しない。原発事故前は全国平均並みだっただけに、産地としての福島がこの位置付けになったことが最大の損害」と語った。

 小山氏は、県内と全国で、農産物の検査体制への認知度に差がある点も指摘した。「安全性が担保されていることを理解されないで風化すると、何かのきっかけで(不安が)再燃してしまう」とし、総括した上で県外にも理解してもらう必要性を訴えた。