災害から命守る「忍法」 いわき短大生ら、減災絵本制作

 
絵本を手にする鈴木教授(左)と伊藤さん

 いわき市のいわき短大の学生9人でつくる減災絵本サークルと鈴木まゆみ教授が手掛けた、減災をテーマにした絵本が完成した。11日、同短大の授業で取り組みが紹介され、学生たちが子どもたちへの減災教育について考えた。

 絵本は制作に約1年7カ月を費やし、今年3月に完成した。サークルの副会長として制作に携わり、昨年度で卒業した伊藤愛未さん(21)は「どんな状況でも諦めないで対応すること、地域と協力すること、正しい知識を分かりやすく伝えることの3点を重視した」と絵本に込めた思いを口にする。分かりやすく、かつ子どもたちに恐怖心を与えないように、文章や挿絵も工夫した。

 タイトルは「へんしんスマイルにんじゃ ひなんくんれんのまき」。3人の園児が忍者の姿で登場し、地震や火災、津波発生時に、命を守るために大切なことを「忍法」として紹介。絵本を読み聞かせた上で子どもたちに忍法を実践してもらい、減災教育に役立てる。幼児期の子どもの育成で大切とされている「ごっこ遊び」に着目し、安全についての構えを自ら身に付けられるように配慮したという。

 絵本の舞台となる「スマイルこども園」は東日本大震災による津波で甚大な被害を受けた同市沿岸部に立地しているとの設定。古里への鎮魂と復興への祈りを込めた。小学生の時に震災を体験した伊藤さんは「今自分は保育士として命を預かり、守り抜かないといけない」と保育者として決意をにじませた。

 同短大は今後、学生の実習などで絵本を活用する予定。