葛尾村、21年秋から復興拠点の準備宿泊 国と調整へ

 

 葛尾村は東京電力福島第1原発事故に伴う帰還困難区域内の特定復興再生拠点区域(復興拠点)について、2021年秋から住民が夜間を含め長期滞在できる準備宿泊を始める方向で国と調整する。17日、村への取材で分かった。

 村は目標とする22年春の復興拠点の避難指示解除を見据え、住宅の新築や家屋の清掃など帰還に向けた準備に半年程度が必要と判断し、準備宿泊の開始時期を設定した。準備宿泊の対象住民は約100人になる。

 帰還困難区域に指定されている野行地区1600ヘクタールのうち、約95ヘクタールが復興拠点として整備される。地区では東日本大震災前、約120人が生活していた。村は解除後、約80人の居住を目標にしている。

 国による除染は年内に終了する見通しで、村は今後、帰還に関する意向調査を行うほか、住民が生活用水として利用する深井戸の掘削などインフラ整備を進める方針だ。

 復興拠点は「中心地区再生ゾーン」「農業再生ゾーン」に分けられる。中心地区再生ゾーンでは既存の野行公民館を住民の交流拠点として活用する。また自宅の再建などで訪れる住民が片付けなどができるよう、公民館の敷地に仮設住宅の資材を活用した宿泊施設を来年秋ごろに完成させる。

 農業再生ゾーンでは基幹産業である農畜産業の再興を目指して、農地の復旧や牧草地の造成などを計画している。