被害者「全てを失った」...裏切られた信頼 ジャパンライフ逮捕

 
男性がジャパンライフで購入した健康用品をうたうベルトなど。この男性が失った財産は1億円を超える=福島市

 全国の高齢者らから計約2100億円を違法に集め、巨額の被害を生んだジャパンライフの元会長山口隆祥容疑者(78)ら幹部が逮捕された。「全て失った」「一日も早く返してほしい」。信頼を裏切られ、憤る県内の被害者からは今も切実な声が上がる。

 「父や祖母の老後の生活資金や子どもの養育費、原発事故による生活再建のための賠償金も、全てを失った」。南相馬市の50代男性は嘆く。巧みな勧誘で男性は父と祖母合わせて計約9200万円を失ったという。

 約30年前からジャパンライフの製品を愛用し、父や祖母にも紹介した。預託商法は7、8年前に勧誘されて契約した。「銀行は金利が低い」。説明会で社員にそう言われて勧められて迷ったが、元会長の山口容疑者が安倍晋三首相(当時)主催の「桜を見る会」に招待されたことなどを引き合いに出されて信用した。

 同社に一部業務停止命令が出た後も、社員からは「大丈夫」と説明された。配当も入金はされていたが、破綻と同時に払われることはなくなったという。

 被害者の会を通じて連絡を取り合う高齢者の中には厳しい生活状況にある人も多いという。山口容疑者の逮捕に「やっと一歩進んだとは思うが、逮捕されたからといって、生活の苦しさは変わらない」と複雑な心境を明かし、「被害者の中には、毎日の生活が厳しい人も多くいる。少しでも早い救済が必要だ」と訴える。

 「もっと早くに何とかならなかったのか」。1億円を超える被害に遭った福島市の80代男性は切実な声を上げる。浪江町に住んでいた10年以上前、訪問販売で100万円以上するベッドなどを購入。寝具を使ったカウンセリングを受けていた。「カウンセリングを受けるうち情が湧き、商品を買ってあげたい気持ちになった」。原発事故で福島市に避難後、預託商法を勧められ、原発事故の賠償金も投資につぎ込んだ。「だまされた気持ち。一日でも早く返してほしい」と語気を強める。

 福島市の別の80代男性は計5000万円を同社に投じた。担当者から「(実在の企業名を出して)ウチはここと違って怪しくない」などと言葉巧みに説明され、信じたという。「被害に気付いて死のうと思った。(元会長らの)逮捕は当たり前だ」と憤った。