高校生「科学のイメージ変わった」 ノーベル賞受賞者フォーラム

 
会場では学生らが吉野さんらの一言一言に聞き入り、メモを取る姿も見られた=19日、いわき市

 いわき市で19日に開かれた「ノーベル賞受賞者を囲むフォーラム」。座席の間隔を空けるなど新型コロナウイルスの感染防止対策が講じられた会場には約550人が来場した。県内高校生の姿も多く見られ、吉野彰さんと野依(のより)良治さんに鋭い質問を投げ掛ける場面も。生徒らは2人の話に自分の夢を重ね合わせ、メモを取りながら熱心に聞き入っていた。

 「科学をこれ以上発展させる必要はあるのでしょうか」。ノーベル化学賞受賞者2人によるパネル討論後の質疑応答で、安積高の鈴木大晴(たいせい)さん(2年)はこう問い掛けた。「科学技術の発展が環境汚染などを招いているのでは」という問題意識があったという。

 吉野さんはこの質問に「産業革命は人類の生活を豊かにしたが、環境問題など負の遺産も残してきた」と述べた上で、人工知能(AI)や第5世代(5G)移動通信システムなどによって大きな変革が起こる「第4次産業革命」が2025年ごろから始まるとして「これまでの負の遺産を自己修復するような流れになっていくと思う」と語った。野依さんは「人類の好奇心がある限り、科学は進歩する宿命にある。その知識をどう使っていくのかが問題になっていく」と話した。鈴木さんは「今までそのように考えたことがなかったので、すごく希望が持てた。科学に対するイメージが変わった」と目を輝かせていた。

 平工高の内山瑛穂(あきほ)さん(3年)は世界の医療格差について尋ねた。

 吉野さんは新型コロナウイルスの感染拡大に触れて、「医療分野で人類におごりがあったと思う。洗礼を受けたのは先進国だった」と答えた。内山さんは「人々の行動の積み重ねが引き起こすものだと感じた。自分の行動もいろんなことにつながっていることを自覚しようと思った」と語った。