特別賞に昭和・菅家さんのカラムシ研究 日本自費出版文化賞

 
日本自費出版文化賞で特別賞を受けた菅家さん

 福島県昭和村の菅家博昭さん(61)の長年にわたるカラムシ研究をまとめた「別冊 会津学 vol.1―暮らしと繊維植物」(奥会津書房刊)が、第23回日本自費出版文化賞で特別賞を受賞した。同文化賞は日本グラフィックサービス工業会の主催。カラムシやヒロロ、アカソなど会津地方の繊維植物を使った伝統技術や、人間との関わりを丁寧にまとめた内容が高く評価された。

 菅家さんは、同村でカスミソウ栽培を生業(なりわい)とする傍ら、村のカラムシを中心とした繊維植物全般について30年以上にわたり独自の調査・研究を続けている。受賞作は、国内外の調査に自費を投じてきた研究の集大成としてまとめた。村の文化や伝統を後世に伝えていくための基礎資料としても注目される。

 日本各地や台湾におけるカラムシ利用の在り方を巡り、歴史の変遷をたどりながら植物学的、民俗学的に多角的に分析している。中でも、繊維植物と暮らしとの関わりについては、地域の特殊性などを踏まえながら詳しく検証している。

 菅家さんは「私はたまった原稿を提出しただけで、読みやすい形にしてもらった。編集の力は大きく、そういう点では二人三脚」と受賞に喜びを表す。続編を準備しており「特に台湾の繊維植物をずっと調査している。その土地にある繊維植物をどのように昔から利用してきたか調べてみたい」と意欲を見せる。