変わる「修学旅行」...行き先は近場 新型コロナ、日帰り変更も

 
「生徒の思い出となるはずだったが、中止になり残念」と肩を落とし、旅行先のパンフレットを外す小名浜一中の教諭

 新型コロナウイルス感染症の収束が見通せない中、県内の中学校を中心に修学旅行の行き先を東京方面から北関東などの近県や県内に変更する学校が相次いでいる。中には宿泊を伴う旅行を中止し、日帰りの代替行事への切り替えを検討するケースもあり、それぞれ計画変更を余儀なくされている。

 県内では春から初夏に予定していた修学旅行を秋以降に延期した学校も多く、「密」を防げるような大きな宿を確保するのが難しいなどの課題がある中、それぞれ実施の可否を検討してきた。

 いわき市では、中学校を中心に修学旅行の中止が相次いでいる。市中学校長会によると、本年度に修学旅行を計画していた35の市内中学校のうち、今月9日までに約3分の1が中止を決めたという。中止を決めた学校では日帰りの遠足やバーベキューなどの代替案を検討しているという。

 このうち、小名浜一中では、当初5月に東京周辺での実施を予定していたが、感染拡大に伴い行き先を山梨県などに変更、野外での体験活動を中心にした行程を検討したが、新型コロナの収束が見通せないため、8月下旬に中止を決めたという。橋谷田聡校長は「生徒が学習を深めるために大切な行事。安全を配慮しての中止だが、学ぶ機会を奪う結果になったのはつらい」と無念さをにじませる。

 福島市教委によると同市でも今月9日までに中学校の約5分の1が中止を決めた。同市や会津若松、郡山の各市では、行き先を東京方面から日光や那須など北関東や県内に変更したり、日程を大幅に縮小するケースも増えている。移動を新幹線から貸し切りバスに代えたり、旅行を中止して芋煮会などの代替行事を計画する学校もある。

 修学旅行を巡り、県教委は県立学校に感染状況や往来制限などを踏まえ実施の可否を判断するよう求めている。旅行前2週間の家族を含めた健康観察、旅行中にできるだけ距離を取ることなども示している。震災と原発事故の経験を学ぶ「ホープツーリズム」、会津地方での歴史学習など県内での実施を提案し、各市町村教委にも周知している。