「美容と健康」で誘客 福島県が発酵ツーリズム、東北DCで導入へ

 

 福島県は、県産の発酵食品が持つ美容と健康への効果を観光資源として磨き、温泉旅行などと組み合わせる独自の取り組み「発酵ツーリズム」の普及に乗り出す。来年4~9月に東北6県で展開される大型観光企画「東北デスティネーションキャンペーン(DC)」に合わせて本格導入する考えで、本県の豊かな醸造文化を新たな切り口で発信し、美容に関心が高い女性を中心に観光誘客を図る。

 具体的な事業内容は流動的だが、県内の旅館・ホテルなどと連携して食事のメニューに発酵食品を取り入れたり、土産物品として取り扱ったりすることを想定。発酵醸造分野の研究者が集う福島大食農学類の協力を受け、品目ごとの効能を検証・整理した上でメニュー化や商品化を検討する。専門家の「お墨付き」を得た食事と温泉への入浴を通じ、健康と美容に資する観光地として本県を売り出す。9月補正予算案に事業費として778万円を計上した。

 県旅館ホテル生活衛生同業組合の調査によると、8月の県内の延べ宿泊者数は前年同月の49.9%にとどまり、新型コロナウイルス感染拡大の影響が深刻化している。

 県は、宿泊する県民の費用を1泊当たり5千円補助する事業などを軸に観光業の業績回復を図っており、状況の改善に向けてさらなる施策を検討。新型コロナに伴う健康志向の高まりを踏まえ、美容にも効果があるとされる発酵食品と観光を組み合わせることで新たな旅行需要の開拓を狙う。

 本県は国内最高峰の品質評価を確立した日本酒を筆頭に、みそ、しょうゆなど多様な発酵文化が根付いており、酒造りの過程で出る酒かすを含めて県産発酵食品の消費拡大にもつなげる。今後、モデルとなる温泉地を選んで来年3月までに事業効果や観光客の反応を検証、同4月からの東北DCで全国的な発信を目指す。

 国分守県観光交流局長は24日の9月定例県議会で、自民党の佐藤政隆議員(本宮市・安達郡)の質問に「関係者と手を携え、魅力的な観光資源を生かした誘客に取り組む」と述べた。