愛する故郷を日本画に 福島出身の大学院生・土田さん、山形で個展

 
土田さんと作品「ENCOUNT」

 福島市出身で東北芸術工科大大学院生の土田翔さん(23)は29日まで、山形県村山市の最上川美術館で個展「最上川芸術祭2020 ENCOUNT―最上川に刻む― 土田翔展」を開いている。

 最上川や、最上川の源流である福島市の吾妻小富士を日本画技法で壮大に描く。

◆若冲展きっかけ創作の道

 土田さんが日本画に興味を持ったきっかけは、高校時代の2013(平成25)年に本県の県立美術館で開かれていた伊藤若冲(じゃくちゅう)の展示会を見に行ったこと。

 大学では村山市出身の日本画家小松均さんの現場主義の絵画論に共感し、自然との交流を楽しみながら制作している。18年には日本画の部で県美術大賞候補・県美術賞に選ばれた。

 土田さんは自然を描く際、自ら川に飛び込んだり雪山を登ったりする。川の勢いや雪の冷たさを身体で感じるためだ。「川の激しさや雪の冷たさを感じないと描けない。常に自然の本質を探るような感覚」と話す。自然の声を聞こうと、雪の中にマイクを当てることもあるという。

 最上川と吾妻小富士を描いた作品「ENCOUNT」(エンカウント)は、グラインダーと呼ばれる金属を切断する機械を使い、石灰や砂などを組み合わせたミクストメディア(複数の素材を使った技法)で制作。「山形にいても福島の自然の風景は目に焼き付いて離れない。生活の隣にあった吾妻小富士は特別なもの」。吾妻小富士の迫力をそのまま紙面に落とし込み、山形と福島と土田さん自身の出合いを表現した。

 「愛する福島の自然を描き続ける。いつか福島でも個展を開き、福島を盛り上げる存在になりたい」と夢を語る。

 時間は午前9時~午後5時(入館は同4時30分)。