ヘリ救助落下「訓練不足」 台風19号の事故、フック忘れ女性死亡

 

 いわき市で昨年10月、台風19号の救助活動中に東京消防庁のヘリコプターがつり上げた女性=当時(77)=が落下し死亡した事故で、同庁が設置した有識者らの委員会が25日、調査報告書を公表した。フックの掛け忘れが原因で、背景にヘリを使った訓練時間の不足があると指摘。ダブルチェックの徹底や地上との連携強化などの再発防止策を盛り込んだ。

 同庁の次長は報告書を受け「組織の安全管理体制の強化などに取り組む」とコメントした。

 報告書によると、昨年10月13日、浸水で孤立状態の女性を救助するためヘリで急行。男性消防士長2人がヘリから下ろしたワイヤでつり上げ作業に当たったが、安全確認担当の1人が担架にフックを掛け忘れた。女性を抱きかかえていたもう1人が上空で気付いたが、他の隊員に伝えられずに力尽き、女性は高さ約40メートルから落下。指揮したヘリの部隊長もミスに気付けなかった。

 防止策として、複数人によるフック装着の確認や訓練の見直し、両手がふさがった状態でも緊急連絡できるハンズフリー無線機の導入、地上にも指揮役の隊員を配置することなどを挙げた。同庁は4月、消防士長2人を戒告の懲戒処分とした。県警が昨年12月、業務上過失致死容疑で2人を書類送検。今年3月に不起訴となった。