妊娠中のオメガ6多量摂取...太りやすい子に 福島医大など研究

 

 妊娠中の母親の食事が子どもの肥満の原因に―。福島医大生体機能研究部門と広島大大学院医系科学研究科の研究グループは、妊娠中の母親が、植物油に豊富に含まれる「オメガ6」と呼ばれる脂肪酸を多量に摂取すると、子どもは高カロリー食を好み、太りやすくなることを動物実験で突き止めた。グループは「胎児という極めて早い段階から、将来の肥満を予防する取り組みの開発につながる」と期待する。

 脂肪酸は人間にとって必須の栄養素。植物油に含まれるオメガ6のほか、魚に豊富に含まれる「オメガ3」という種類もあり、食事によって体内に取り込まれる。研究グループによると、食生活の変化で魚を食べる量が減り、世界的にオメガ6脂肪酸を摂取する量が増えてきているという。

 実験では、総脂肪酸量は同じだが、二つの脂肪酸のバランスが取れた餌と、「高オメガ6、低オメガ3」の餌を用意し、それぞれ妊娠中のマウスに与えた。その上で、生まれたマウスの脳内の脂肪酸のバランスと餌の好みの関係や、体重増加率などを調べた。

 その結果、「高オメガ6、低オメガ3」の餌を食べたマウスの子は、砂糖水や高脂肪の餌を好み、摂取量はそれぞれバランスの取れた餌を食べた子どもと比べると約4割と約2割増えた。体重の増加率は約6割上昇していた。

 グループはその要因として、動機付けに関わる脳内物質の「ドーパミン」に着目。高脂肪の餌を好んで食べたマウスの子は、脳内の「中脳」と呼ばれる部位のドーパミン神経細胞が4割増加していた。このため、砂糖や油を取りたいという欲求が強くなったことが想定された。同細胞の数は、脳がつくられる胎児の段階で決まるため、母親の食の傾向が、将来の子どもの食の好みに影響する可能性があることが分かったという。

 広島大の酒寄信幸助教(34)は「人における食の高オメガ6低オメガ3化と肥満の関係は検証が必要だが、オメガ6脂肪酸を極端に減らすのではなく、魚などをバランス良く食べることが重要」と語った。福島医大生体機能研究部門の小林和人教授(60)らは、行動解析などを担った。

 英国の科学誌「コミュニケーションズ バイオロジー」に論文が掲載された。