『白河東地区オリジナル』和紙作り始動 原料「コウゾ」多数発見

 
生育するコウゾを発見した滝沢さん(左)と久野さん

 和紙の原料に使われる植物「コウゾ」が白河市東地区で数多く見つかり、地域おこし協力隊員2人が中心となり、「東オリジナル」の和紙作りに乗り出した。特色を出すため東地区に生育する他の植物も混ぜ合わせた和紙。地域の魅力を発信する機会にしようと、紙すき体験会を開くなど住民も加わった模索が始まった。

 コウゾは高さ2メートル程度の落葉低木で、日当たりが良い場所にしか生育しないとされる。東地区は傾斜が多く、生育するには適した土地という。コウゾを発見したのは今年の夏だった。

 東地区地域おこし協力隊員の久野宏さん(41)と、西会津町地域おこし協力隊員で出ケ原和紙担当の滝沢徹也さん(42)の2人が見つけた。

 久野さんが滝沢さんを東地区に招き、和紙作りに使える植物を「物色」していたところ、多くのコウゾの発見につながったという。久野さんは「まさかコウゾがあるとは思わなかった。東地区で和紙作りができると喜んだ」と振り返る。

 2人は26日、和紙作りの第1弾として東地区で和紙作り体験会を開催。県内の大学生ら約10人が参加した。コウゾを伐採し、繊維をたたいてほぐし、紙すきまで行った。オリジナル和紙にさらなる特色を強めるため稲わらや木の葉なども原料として"味"を加えた。

 久野さんは「今後も継続して和紙作りの体験会などを開き、東地区の自然を知る機会を子どもたちに提供できるよう活動していきたい」と話す。体験会で作った和紙は、来月17日に東地区で開かれるイベント「いなかラウンジ」の会場をライトアップする照明器具として活用する予定。

 以前に栽培、今も生育か

 コウゾは一度栽培した場所では長く生育するとされる。住民の話によると、水田近くで栽培され、和紙作りが行われていた隣接する浅川町に出荷されていた可能性が高いという。住民の本宮直さん(73)は「副業のような形でコウゾを栽培していた農家が多かった」と話す。

 本宮さんによると、1960年代の前半ごろまで隣接する浅川町畑田地区などでは和紙作りが盛んだったといい、収穫して出荷されていたという。当時栽培していたコウゾが、今も東地区に残って生育している可能性が高いという。