復興の思いに耳傾け 菅首相がふたば未来訪問、生徒らにエール

 

 首相就任後初となる出張で26日に双葉郡を視察した菅義偉首相は、本県の教育復興のシンボルとなっている広野町の中高一貫校「ふたば未来学園」を訪れ、生徒と懇談した。生徒らは復興への思いや将来の夢を発表。菅氏は自身が座右の銘とする「意志あれば道あり」の言葉を贈り、願いが実現するようエールを送った。

 高校3年の女子生徒(17)=浪江町出身=と同2年の女子生徒(17)=いわき市出身、中学2年の男子生徒(13)=広野町出身=の3人が、地域課題の解決策を探る独自の授業で学んだ成果などを発表した。

 高校3年の女子生徒は、障害のある兄の存在や、原発事故で避難生活を送った経験を踏まえ「(兄のことで)学校でからかわれたり、放射能に起因したいじめに直面した」と打ち明けた。地域住民に障害に関する知識を普及する活動、風評払拭(ふっしょく)に向け対話や交流を重視した今後の計画を発表し「みんなが共生できる社会を実現したい」と訴えた。

 校内でカフェを運営する生徒たちのリーダーを務める高校2年の女子生徒は「(カフェを通じ)復興の象徴であるふたば未来と双葉郡の情報を発信したい」と意気込んだ。入学時は内気な性格だったが、カフェ運営を通して社交性が身に付いた自信を胸に「将来は海外にわたって日本を発信し、災害を乗り越えてきた教訓も後世に伝えたい」と夢を披露した。

 祖父が漁師だったという男子生徒は、古里の海で水揚げされる水産物の風評払拭に向けた取り組みについて発表。富岡町で住民らに親しまれていたアカメフグに着目し「(アカメフグの)絵本を製作し、子どもたちに海が安全・安心できれいだということを伝えたい」と語った。

 生徒の発表にメモを取りながら耳を傾けた菅氏は「私は『意志あれば道あり』を目標に一生懸命に頑張ってきて、いつの間にか総理大臣になっていた。皆さんはしっかりとした目標を持っている。失敗を恐れず頑張ってほしい」と激励した。

 懇談後、高校3年の女子生徒は「首相は私の小さな活動にエールを送ってくれてモチベーションが上がった。大学では心理学を学び、偏見のない社会のために役立てたい」と話した。