被災地の現状と復興の課題見つめる 安積高生が双葉郡内を視察

 
廃炉資料館で原発の現状に理解を深める生徒

 郡山市の安積高の生徒が27日、双葉郡内を視察した。東日本大震災、東京電力福島第1原発事故から9年半が過ぎた被災地の現状と本県の復興に向けた課題を見つめた。

 1~3年生24人が参加。震災当時は幼かった生徒たちに震災と原発事故の記憶を伝え、風化の防止や復興につながる力を身に付けてもらおうと企画した。

 生徒たちは全町避難が続く双葉町の双葉南小を訪れ、黒板に記された文字や床に張り付いた日記など、震災当時から時計の針が止まったままの光景を目の当たりにした。双葉駅周辺では、新しい駅舎を含め生まれ変わりつつある姿と、屋根瓦が崩れた家屋など爪痕がいまだに残る状況を確認した。

 富岡町の東電廃炉資料館も訪問し、廃炉の課題や今後の取り組みを学んだ。被災地で人材育成事業などに取り組むNPO法人ハッピーロードネットの西本由美子さん(67)=広野町=や被災地の映像を撮影している映像作家の松本淳さん(40)=楢葉町=らと交流し、住民が向き合う被災地の課題と向き合った。

 3年の女子生徒(18)は「講話を聞くだけではなく、実際に現地に足を運んだからこそ被害の実態や復興の歩みの力強さを実感できた」と振り返った。1年の男子生徒(16)は「時が止まったままの過去と時計の針が動きだした今が混在していた。県外の人に福島の状況をしっかりと伝えられる力を身に付けたい」と目標を掲げた。