『激辛ハバネロ』イノシシには辛い? 平田で敬遠実験、濃縮液散布

 
濃縮液を電気柵の周辺にまく関係者

 道の駅ひらた(平田村)と福島大は27日、トウガラシの一種で村特産のハバネロがイノシシよけに効果があるのかを確かめる実証実験を村内で始めた。特産品の「激辛」食材はイノシシから農作物を守ることができるのか。地元の農業関係者から熱い視線が注がれている。

 実験は村内4カ所の畑で始まった。この日は畑の周りにハバネロの濃縮液と、濃縮液に木酢液を混ぜた液体を散布。センサー付きのカメラを設置した。

 今後は定期的に液体を散布。映像で地面の匂いをかぎながら移動する習性を持つイノシシの反応を見て効果を確かめ、イノシシよけとしての特徴や有効な散布のタイミングを検証する。

 濃縮液は水80リットルにハバネロ20キロを入れ、約20リットルになるまで煮詰めて作られている。実験に参加した村の担当者によると、村内でイノシシは毎年300~400頭が捕獲されているが、農作物の被害は年々増えており、激辛食材への農業関係者の期待は高まる。

 道の駅ひらたは「日本一辛い村」を目標に掲げ、ハバネロを使ったソフトクリームやカレーで人気を集めている。高野哲也駅長がハバネロをイノシシよけに活用する構想を始めたのは昨秋。

 ハバネロは形が整わないなどの規格外品が多く、規格外となった実は畑に捨てられていたが、生産者が捨てられた実の周辺ではイノシシの被害がなかったことに気付いたという。

 高野駅長が試しに濃縮液を作り、農家に配って畑にまいてもらうと「どうやら効いているようだった」。裏付けを得るため、獣害問題に取り組んでいる福島大食農学類の望月翔太准教授に協力を仰ぎ、実験開始につながった。

 望月准教授によると、国内でトウガラシを使ったイノシシよけは行われておりハバネロにも一定の効き目が予想される。しかしイノシシは学習能力が高い。電気柵を設置しても、いずれは電流の刺激に慣れて通り抜けるように、効果は一時的になるとみられる。

 望月准教授は「ハバネロだけでは難しい」とし、「イノシシが(ハバネロを避けることで)電気柵に触れる回数を減らし、慣れないようにできる」と二重の対策による効果を期待する。

 また望月准教授は特産品を使うことについて「地元で作ったものを地元で還元する。良い取り組みになる」と強調する。実験は年内行う予定で、道の駅ひらたは結果を受けてから商品化も視野に取り組みを進める。

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 ハバネロ メキシコ原産のトウガラシで激辛の香辛料として知られる。トウガラシの辛さを示す数値である「スコビル値」は10万~35万スコビルと、国産トウガラシの4万~5万スコビルを大きく上回る。平田村では昨年1.5トンを出荷し、今年の出荷量は約2トンを目標としている。