生業訴訟...二審も責任認定なるか 30日・仙台高裁で注目の判決

 

 東京電力福島第1原発事故当時、県内や近隣県に住んでいた約3650人が国と東電に計約210億円の損害賠償などを求めた集団訴訟(生業(なりわい)訴訟)の控訴審判決は30日午後2時から、仙台高裁で言い渡される。一審福島地裁で認められた国と東電の責任や国の賠償基準の中間指針を超えた慰謝料は、再び認められるのか。全国で約30ある同様の訴訟で、国と東電を被告とした1例目の高裁判断に注目が集まる。同様の集団訴訟で原告数は最大規模。

 最大の争点は、国と東電が第1原発の敷地高を超す津波を予測し、対策を取れたかどうか。

 国の責任を巡っては、地裁での判断は分かれている。国の責任を問うた訴訟の13件中、国の責任を認めたのは7件、認めなかったのは6件。東電のみを被告とした高裁判決では、仙台と東京の2高裁で判決が出ており、いずれも東電に賠償の上積みを認めた。

 2017(平成29)年10月の一審福島地裁判決は、「国は02年の政府見解を基に大津波を予測でき、東電に津波対策を取らせる規制権限を行使すべきだった。東電も対策を怠った過失がある」と判断した。

 賠償については、当時の居住地の放射線量に応じて原告のうち約2900人に1万~20万円の計5億円を支払うよう、国と東電に命じた。事故当時の居住地の放射線量を判断の根拠としたため、避難の有無や第1原発からの距離に関係なく賠償を認定した。

 一方、会津地方は事故後も線量が低かったとして対象から除外した。避難区域の原告40人が求めた1人当たり2千万円の「ふるさと喪失」慰謝料は棄却、放射線量を事故前の水準に戻す原状回復の訴えは却下した。

 一審判決を受けて、原告側と国、東電側の双方が控訴した。控訴審では、原告は賠償の増額や原状回復を改めて求めた。国は規制権限不行使の違法性を否定。東電は国の指針に従い十分に賠償したと反論している。