旧木造校舎の工場で給食 参加者交流で元気発信、いわき・磐城高箸

 
旧食会(給食会)について説明する高橋さん(右)。黒板アートは勿来工高美術部が手掛けた

 「給食始まるぞー。ちゃんと座れー」。いわき市田人町の山あいにたたずむ割り箸工場に、磐城高箸社長高橋正行さん(46)の声が響く。おいしそうな給食を前に、20人ほどの大人が「いただきます」と声を合わせると、自然と笑顔が広がった。

 元は旧田人二小南大平分校だった磐城高箸の社屋と工場。廃校後の利活用で市から分校を譲り受けた同社が工場に改修、地元の間伐材で高級割り箸や鉛筆などを製造している。

 地域に愛される木造校舎の趣を大切に生かした工場には、かつての教室や体育室・講堂がほぼそのまま残る。その一つの学習室で28日、「旧食会(給食会)」が初めて開かれた。

 旧食会に込めた高橋さんの目的は、地元田人町の住民や地元以外の参加者のゆるやかな交流。「アイデア次第で過疎地を元気にできることを発信したい」。

 この日の献立は鶏肉の酢マリネや栗ご飯、豚汁など。いわき市教委の給食メニューを参考に地元のカレー店チャンド・メラが献立を考え、小松菜や栗、イチジクなど地元の食材をふんだんに使い、田人おふくろの宿が調理した。

 勿来工高美術部がこの日のために描いた黒板アートが、楽しい給食の時間を演出。肩肘張らずに給食を味わう参加者の姿に高橋さんも「良かった。成功です」と目を細める。

 南大平分校の卒業生の小松伝さん(68)は、食材の栗を提供。旧食会にも参加し、小学生だった当時を懐かしみながら「今後も地元に貢献し、一緒に楽しく生活していきたい」と語った。分校の再生が、地域住民の生きがいにもつながっている。

 旧食会は磐城高箸と地域住民でつくる南大平地区未来創造会議が主催。10月は12、26の両日に開く。両日とも定員20人、県民が参加対象。参加無料。

 問い合わせは磐城高箸(電話0246・65・0848)へ。