増税直前...「第三のビール」需要増 酒税法・10月1日から改正

 
店内に張られた酒税法改正を知らせるポップ=福島市・いちいパワーデポ食品館

 10月から酒税法の見直しが段階的に始まる。税額はビールで下がり、第三のビールで上がる。新型コロナウイルスの感染拡大で「家飲み」が注目を集める中、県内のスーパーや酒類販売店では増税となる第三のビールの駆け込み需要が活発化している。

 「10月より新ジャンル(第三のビール)の酒税が上がります」。酒税法の改正を知らせるポップを今月上旬から売り場に掲示している福島市八木田のいちいパワーデポ食品館。津田弘次副店長(51)は「新ジャンルの売れ行きは1.2倍ほどに増えている」と話す。ビールや発泡酒、第三のビールの税額(350ミリリットル当たり)は、ビールが77円、発泡酒が46.99円、第三のビールが28円。10月からはビールが70円、第三のビールが37.8円となり、発泡酒は据え置かれる。

 津田副店長によると、店の販売割合は第三のビールが6割、ビールと発泡酒がそれぞれ2割程度を占める。「価格差がなくなればビールの比率が高まるのでは」と見通した。

 販売てこ入れ...精「一杯」

 10月1日から段階的に始まる酒税法の改正。増税される第三のビールの売り上げ増加が続く県内の量販店では、「箱買い」など大量に購入する買い物客の姿も目立つ。張り紙を増やして購入意欲を刺激する各店舗は、駆け込み需要に対応しながら、税額が据え置かれる酒類のまとめ売りなど10月以降の販売戦略も練っている。

 「晩酌で毎晩、第三のビールを飲んでいるので家計への影響は大きい。増税前に箱買いしに来た」。郡山市の無職、男性(62)は、増税を見据えて量販店に足を運んだ。買い物客の中には「税金を取りやすいところから取るようだ」と不満の声を漏らす人もいた。

 ヨークベニマル(郡山市)によると、第三のビールの9月の売り上げは、消費税増税に伴う駆け込み需要で全体的に酒類の売り上げが伸びた昨年同月よりもさらに伸びている。箱単位で購入していく客も多いという。

 盆明けからは2箱買うと得になるキャンペーンを始めるなど、駆け込み需要を見据えた対策を取ってきた。今後は、引き上げが据え置かれる酎ハイやハイボールなどのまとめ売りなどで対策を取る方針だ。

 いわき市で酒類販売店「酒のいしかわ」3店舗を経営するリンクジャパンの石川修社長は「20日からの連休ごろから、1日当たり10%程度、第三のビールの売り上げが伸びている」と話し、駆け込み需要を実感しているという。石川社長は「メディアに取り上げられ始め、消費者も反応したのでは」と分析する。

 酒税は今後3年ごとの見直しを経て、2026年10月にはビール、発泡酒、第三のビールの税額(350ミリリットル当たり)は54.25円で統一される。

 ビール関連商品は、糖質ゼロやプリン体カットなどの機能付き商品も数多い。石川社長は「(段階的な増税で)ビール関連はある程度絞り込まれるのではないか。商品が絞り込まれれば、商品選択で悩む店舗側も売りやすくなる」と税額の見直しを歓迎している。

 第三のビールを購入したいわき市の会社員、男性(37)は「店頭のポスターを見て、せっかくなので購入した。税額が上がっても結局は買うだろうが、価格が一緒であればビールを選ぶだろう」と話した。