福島県内の半数超「下落」 基準地価、福島市除く12市マイナス

 

 県が29日発表した県内地価(基準地価)調査結果によると、調査した527地点のうち、半数を超える289地点で下落した。半数以上の下落は2013(平成25)年以来で、全用途平均変動率の7年ぶり下落を裏付ける結果となった。上昇したのは127地点、横ばいは88地点だった。

 用途別平均変動率をみると、13市は住宅地がマイナス0.3%(前年比0.9ポイント減)、宅地見込み地マイナス0.5%(同0.5ポイント減)、商業地マイナス0.5%(同1.3ポイント減)、工業地マイナス0.4%(同1.5ポイント減)。全用途平均はマイナス0.4%(同1.1ポイント減)で、福島市は0.5%と上昇したものの、他の12市はいずれもマイナスだった。

 町村は住宅地マイナス0.9%(同0.5ポイント減)、商業地マイナス1.7%(同0.5ポイント減)、工業地0.0%(同0.4ポイント減)。全用途平均はマイナス1.0%(同0.5ポイント減)だった。

 基準地点の1平方メートル当たりの平均価格は、住宅地が2万3300円(前年比400円減)、商業地が4万5700円(同200円減)。最高価格は、住宅地がJR郡山駅と郡山市役所との中間にある同市神明町2の15の11万1000円(同6000円増)、商業地がうすい百貨店前の通り沿いとなる同市中町11の4の25万4000円(同6000円減)で、いずれも前年と同一地点だった。

 32市町村でマイナス

 【商業地】商業地は58地点で下落。平均変動率がプラスとなったのは、鏡石、浪江、福島、いわきの4市町にとどまった。一方、マイナスとなった市町村は前年比で6市町村増の32市町村に上り、下落傾向が顕著に現れた。

 最も上昇率が高かったのは鏡石町の1.0%。町中心部の商業地域は商住混在地で、住宅地としての利用が可能なことから割安感があり、価格高位の取引がみられる。2位の浪江町(0.8%)は福島水素エネルギー研究フィールドや福島ロボットテストフィールドなどの復興関連施設の開所などで、事業所再開の動きが出ている。3位の福島市は0.4%、4位のいわき市は0.3%だった。

 下落率が最も高かったのは北塩原村のマイナス4.1%。新型コロナウイルスの感染拡大による観光客の減少が影響した。2位の石川町(マイナス3.5%)は東日本台風の浸水被害が町中心部の既成商業地に直撃。3位の西会津町はマイナス3.4%、4位の矢祭町はマイナス3.0%、5位の柳津町はマイナス2.9%で、いずれも近隣都市部の大型店への顧客流出や人口減少による購買力の縮小を要因に、下落幅が拡大した。

 主要4市の平均価格は、福島市7万800円(前年比900円増)、会津若松市4万6600円(同300円減)、郡山市8万7800円(同800円減)、いわき市5万9600円(同200円増)。

 富岡で上昇率最高2.0%

 【住宅地】住宅地は220地点で下落し、全体の約6割を占めた。上昇は87地点、横ばいは66地点。市町村別の平均変動率は、富岡町が2.0%で最も高かった。前年よりも上昇幅は縮小したが、復興・廃炉関連の事業所・宿舎用地などの需要が続いている。富岡に加え、福島、会津若松、郡山、大玉、広野、楢葉、浪江の計8町村がプラスとなった。

 このうち福島市は7年連続、大玉村は6年連続プラス。福島市(0.6%)は、新型コロナウイルス感染拡大に伴い市場は様子見の状態となっているものの、高価格帯の住宅地や人気の高い地域などでは影響は軽微という。大玉村(0.5%)は近隣都市への通勤、通学の利便性が高いことから、村外から人口が流入している。

 一方、平均変動率がマイナスとなった市町村は47市町村で、前年に比べて12市町村増加。最も下落率が大きかったのは矢祭町でマイナス3.3%。以下相馬市と猪苗代町がマイナス2.8%、石川町がマイナス2.1%、塙町がマイナス1.9%と続いた。新型コロナの感染拡大による地域経済の停滞感や人口減少、過疎化が進む会津や阿武隈山系の町村で下落幅が大きかった。

 主要4市の平均価格は、福島市4万2300円(前年比500円増)、会津若松市3万6600円(同100円増)、郡山市4万8900円(同400円増)、いわき市3万8200円(同1400円減)。