真っさらな農地に花卉栽培 飯舘へ移住、42歳の新規就農者が決意

 
「期待と不安が入り交じっているが、花農家として仕事と生活を両立させていきたい」と意気込む小原さん

 民間企業から新規就農者に転身。首都圏から飯舘村へ移住した小原健太さん(42)は花卉栽培に乗り出した。小原さんは「農家としての生活は始まったばかり。実績をしっかりと残して、村の新規就農者の増加に貢献できたら」と、これから手を加える真っさらな農地で熱い思いを語る。

 小原さんは北海道出身、新潟県育ち。高校卒業後、都会への憧れを抱き、埼玉県で就職した。複数の会社で働き、村に移住した今年5月までは、都内の梱包(こんぽう)資材メーカーで営業を担当していた。

 仙台の支店への人事異動で農業資材を扱う部署に移り、次第に農家と直接触れ合う機会が増えていった。

 ある日、取引先の紹介で村のことを知り、仕事の傍ら村に足を運ぶようになった。農家への興味を持ち始めたころでもあり「村が新たな基幹産業として育てている花の栽培に挑戦してみたい」と一念発起。移住を決断してからの小原さんの行動は早かった。

 妻と2人で村に移住してからは、まずは農地の確保や人脈づくりに奔走した。運よく、約36アールの農地を地元農家から借り受け、花卉栽培に向けての一歩を踏み出した。

 小原さんが選んだ品種はハイブリッドスターチス。村の風土にも適しており、高効率での栽培が可能という。10月にはハウスの建設に着手。5棟を建設予定で、来年には出荷を開始し、約5、6万本の生産体制の確立を目指す。

 栽培に関する知識を蓄えるため、生産者でつくる出荷組合の集会にも参加するなど、精力的に活動する小原さん。「村は若者の数が圧倒的に少ない。一番の地域おこしは農業など基幹産業の担い手を増やすことだ」と強調する。

 「自分自身が花卉栽培を成功させ、新規就農者が増加するような仕組みづくりにも取り組みたい」と、気持ちも新たに今後の展望を語った。