浪江に波力発電所検討 エイブルや東大生研、請戸漁港で調査へ

 
請戸漁港に建設される波力発電所のイメージ

 浪江町の請戸漁港に、波の力で発電する「波力発電所」の建設が計画されていることが2日、関係者への取材で分かった。波を受けた板が振り子のように動いて発電する仕組みで、国内では岩手県久慈市などで実証試験が行われている。浪江町は原発事故の被害を受け「エネルギー地産地消のまちづくり」を掲げており、実用化されれば町の復興を後押ししそうだ。

 波力発電所の計画は、特定復興再生拠点区域(復興拠点)を対象に「脱炭素のまちづくり」を進める環境省事業の一環で、広野町の建設業エイブル、東大生産技術研究所(東大生研)、九電工などの4企業・研究機関が建設場所の選定などに関する業務の委託を受けた。

 東大生研などは岩手県久慈市のほか、神奈川県平塚市でも実証試験を行っており、浪江が3カ所目。請戸漁港で波の高さや海底の状況、商業化への課題など詳細な調査を始める方針で、今月21日には住民説明会を開く。

 波力発電所の建設場所は防波堤付近が有力で、久慈や平塚と同様、波の力を受けた板が振り子のように動いて発電する「ラダー式」の発電施設が設置される予定。関係者によると、浪江は久慈や平塚に比べて波のエネルギーが豊富で「波力発電所の設置に適した環境」という。

 浪江町は復興計画第2次で「エネルギー地産地消のまちづくり」を掲げ、原子力や化石燃料に頼らない再生可能エネルギーの導入を進めている。町内の棚塩産業団地に3月、世界最大規模の水素製造拠点「福島水素エネルギー研究フィールド」が開所し、町は2050年に二酸化炭素排出実質ゼロを目指す「ゼロカーボンシティ」を宣言。低炭素型社会の実現へ、再生可能エネルギー産業の集積地化を目指している。

 エイブルの担当者は波力発電所について「再生可能エネルギーの活用や新産業創出、暮らしの創生につなげたい」とコメントした。