『双葉のお母さん』壁画第2弾完成 アートで再生プロジェクト

 
壁画のモチーフになった吉田さん(左から2人目)に、プロジェクトのTシャツを贈る赤沢さん(左)ら

 東日本大震災と東京電力福島第1原発事故に伴い全町避難が続く双葉町をアートで再生させるプロジェクトの第2弾となる壁画「ファーストペンギン」が7日、同町のJR双葉駅近くの建物に完成した。制作は日没後に完了。海からの日の出に見立てたドーナツの穴から、双葉の明るい未来をのぞき込む赤髪の女性をイメージした壁画が、ライトに照らされ浮かび上がった。

 第2弾のモチーフになったのは1981(昭和56)年から約25年間、駅前にあったファストフード店「ペンギン」の元店主吉田岑子(たかこ)さん(75)。採算度外視でドーナツやハンバーガーを提供、高校生らの人生相談に乗るなど"双葉のお母さん"として親しまれた。避難先の埼玉県から現地を訪れた吉田さんは「若者がこんなにもペンギンを思っていてくれてうれしい半面、恥ずかしい。アートで双葉が盛り上がれば」と目を細めた。

 プロジェクトは震災前まで駅前で居酒屋を経営していた高崎丈さん(39)=の「双葉をアートで再生させたい」という思いから始動。企業理念などを壁画で表現する会社「OVER ALLs(オーバーオールズ)」(東京都)が、8月の第1弾に続いて制作した。同社社長の赤沢岳人さん(38)は「アートには人を驚かせ、感動させる力がある。双葉=原発事故とは違う文脈で、双葉の名を表に出していきたい」と言葉に力を込めた。