【東日本台風1年】「避難所見直し」33市町村 東日本台風以降

 

 本県に甚大な被害をもたらした昨年10月の東日本台風(台風19号)以降、県内59市町村のうち33市町村が避難所の設置場所などの見直しを行ったことが、福島民友新聞社のアンケートで分かった。浸水被害の恐れのない施設を新たに避難所に指定したり、新型コロナウイルスの感染拡大防止のため避難所数を増やすなど、各市町村が水害の教訓や実情を踏まえた対策を講じている。

 市町村が設置する避難所について「見直した」「今後見直す」「見直す予定なし」の3項目から一つを選んでもらい、理由を尋ねた。33市町村が「見直した」と回答、「今後見直す」は16町村で、「見直す予定なし」は10町村だった。

 「見直した」と答えた市町村のうち、郡山市は4月に改定した洪水ハザードマップ内にある避難所6カ所を指定から解除する予定。感染症対策も兼ね車両、車中避難用としてパチンコ店駐車場や浸水区域外の公園を確保した。避難所を45カ所から79カ所に増やしたいわき市は浸水地域にある学校などで、建物上階に避難する「垂直避難」を導入できないか協議している。

 福島市は1次避難所に集会所を加えるなど避難所の数を19カ所から100カ所以上に増やした。また、被害の大きかった本宮市など多くの市町村が宿泊施設と協定を結ぶなどコロナ禍での「3密」(密閉、密集、密接)回避に向けた避難所の確保や環境整備、感染症対策を進めている。須賀川市は100カ所以上ある避難所について水害時も利用できる施設とそうでない施設に区分けした。複数の河川が氾濫した相馬市も、各河川の氾濫に備えて開設する避難所を地域ごとに分散させた。

 一方、「今後見直す」とした湯川村は「近隣市町村と協定を結び、相互に協力していきたい」と避難所の広域化を検討。「見直す予定なし」とした会津坂下町は、活用できる施設を全て避難所として位置付けており、「災害の種類により影響が及ばない避難所を開設する」としている。

 県内で進む避難所の見直しについて、防災教育を専門とする福島大うつくしまふくしま未来支援センターの天野和彦特任教授は「災害を踏まえ、安全な避難所を確保するための見直しは重要」とした上で、新型コロナを踏まえ「段ボールベッドや間仕切りなど感染症対策の備品が欠かせない」と設備点検を促した。また住民に対しても「必要最低限な感染対策物資の持参が必要」と指摘した。

 東日本台風に関するアンケートは9月下旬から今月上旬にかけて行い、59市町村全てが回答を寄せた。