いわきの醸造店「みそ蔵」水漬かる...東日本台風から再スタート

 
みその充填機を確認する青木さん=10日午後、いわき市・山田屋醸造

 東日本台風の水害で大きな被害を受けたいわき市のみそ・しょうゆ製造業「山田屋醸造」に10日、新しいみそ充填(じゅうてん)機が届いた。被災した店の復旧は来月にはほぼ完了する見通しとなり、5代目の青木貴司さん(46)は「ようやくスタートラインに立った」と復旧に追われた1年を振り返る。

 台風による好間川の氾濫で、青木さんの自宅兼店舗と、大事なみそ蔵が水に漬かった。みそ蔵にあった充填機や攪拌(かくはん)機、ポンプなどの大小の機械は大部分が使えなくなり、損害額は5000万円を超えた。

 昨年11月ごろから仮店舗で営業を再開。並行して商品の安全性を確認する検査や補助金などの申請、建物の清掃・消毒と、復旧に向けた仕事をこなし「ふらふらになるほどの作業量」でようやく店舗と蔵の復旧にこぎ着けた。

 新型コロナウイルス禍も重なり、飲食店への納入が落ち込むなど苦境は続く。しかし青木さんは「度量を広げる好機」と新たな取り組みも始めた。

 8月には資金調達と知名度の向上を目指し、インターネットで小口資金を募る「クラウドファンディング」をスタート。また動画投稿サイト「ユーチューブ」には地元飲食店の紹介動画を投稿した。

 今回の充填機導入で、被災後はほぼ手作業で行ってきたみその袋詰め作業が自動化できるようになり、大量発注にも対応できるようになった。青木さんは「復旧に追われた1年だった。でも被災のピンチをチャンスだと思い、これからも知恵を絞っていきたい」と力を込めた。