世界も認めた『福島県産の花』 フラワーキング、塙に本社移転

 
町地域おこし協力隊員と共にダリアを採花する遠藤社長(左)

 塙町の農業生産物流法人「FLOWER KING」(フラワーキング)は、中国などのアジア圏に県産花を中心とした日本の花卉(かき)を出荷している。県内の生産者や町地域おこし協力隊と連携。県産花を世界に販売し、花に彩られた福島のイメージを発信するとともに、地域経済の発展に期待している。

 フラワーキングは、社長の遠藤大輔さん(42)=東京都出身=が2012(平成24)年に北京で創業。当初は花の小売りのみを行っていたが、流通コストが高いことが課題だった。自社で花を生産し、輸出した方が販売コストを抑えられると考え、17年から輸出業を開始。日本で集めた花卉を自社で包装し北京にある現地法人に輸出、香港などの自社店舗で主に富裕層向けに販売している。

 輸出を始めてから、年商が1000万円から2年で約20倍の2億円に成長。昨年度は中国への出荷量が35トン、本数としては15万本を超えた。現在、中国国内で売られている日本産の花の約65%は同社が出荷しているものという。

 18年には都内に日本法人を設立した。生産者との距離が近い場所に本社を置きたいと考えて全国各地を回っていく中で、塙町に注目。生産している花の品質が高いことや町が誘致に積極的だったことから、19年に塙町に本社を移転した。現在扱っているのは、町の花であるダリアのほか、ドウダンツツジや須賀川市のユキヤナギ、浪江町のトルコギキョウ、川俣町のアンスリウム、昭和村のカスミソウなど。どれも県内各地の花卉農家の努力の結晶だ。遠藤さんは「東日本各地の花を福島に集め出荷の拠点にしていき、やがて花卉輸出全国1位の場所にする」と目標を描く。

 遠藤さんの脳裏には、北京に住んでいた頃に現地の人から言われた言葉が今でも印象強く残っている。「福島に花なんて咲いているのか」。東日本大震災からもうすぐ10年がたとうとしているが、外国人にとっては発生当時の傷ついた福島のイメージが今でも焼き付いたままだと感じている。

 「いまだに県産農作物の出荷を受け入れていない国もある。輸出が認められている福島の花を世界に届けて、福島が緑豊かな場所であることを広めていきたい」