【夜の街とコロナ】郡山感染対策『手探り』...検査を安心材料に

 

 9月に入ってから新型コロナウイルスの感染者が急増している郡山市。厚生労働省のクラスター対策班の調査で、9月以降の発症者の半数以上が駅前繁華街の飲食店従業員や飲食店利用者ら「駅前由来」の感染であることが分かった。県内有数の「夜の街」を抱える同市で、感染拡大の防止に向けた手探りの対策が続く。

 「感染症対策はきりがない」。あるスナック経営の男性(58)は困惑する思いを口にした。男性は、市が行っている無料PCR検査に従業員分も含めて申し込んだ。「検査は一つの安心材料となる」と話したが、「陰性でも(その後に発症するかもしれないので)安心はできない」と吐露。他店と共有しているエレベーター内などで感染する恐れもあると不安を語った。

 駅前で居酒屋を経営する郡山社交飲食業組合の太田和彦組合長(65)のもとには県外の知人から「感染が拡大しているようだが大丈夫か」と心配する電話があったという。太田組合長は「組合としても対策を考えてはいるが、それぞれの店は結局は個人営業。『自分の店は自分で守る』との認識のもと対策を取るしかない」と苦渋の表情だ。

 市の無料PCR検査は、15日までに、124店舗から487人分の申し込みがあった。市の想定を上回る申込数となり、飲食店側が警戒感を強めていることも見て取れる。無料検査は10月末で終了予定だったが、支援強化のため市は11月末まで延長することを決めた。

 感染の推移を見ると、駅前では8月下旬にホストクラブの従業員間で集団感染が発生。その後、9月上旬から中旬までは感染経路不明や県外由来の感染事例が散発した。9月下旬から10月上旬にかけて駅前で感染した患者が多く出て、その家族や職場へと広がっていった。感染場所と確認された飲食店は7店舗。客から客、客から従業員、従業員から客と、それぞれの感染例があった。

 「まだまだ予断を許さない。駅前の飲食店で感染が続くようなら、さらに拡大する可能性がある」。15日の会見で、市保健所の塚原太郎所長は危機感をにじませた