海洋放出「将来に禍根」 全国・県漁連、復興相らに重ねて反対

 

 東京電力福島第1原発で発生する放射性物質トリチウムを含む処理水の処分を巡り、全国漁業協同組合連合会(全漁連)の岸宏会長と県漁連の野崎哲会長は16日、復興庁で平沢勝栄復興相(福島高卒)と会談し、風評被害への懸念から海洋放出に重ねて反対した上で「漁業の将来に極めて大きな禍根を残す」と慎重な判断を強く求めた。

 会談は冒頭を除いて非公開。岸氏は「処理水が海洋放出されれば、風評の発生は必至だ。復興を目指す漁業者の思いが挫折することがないよう海洋放出に反対する」と強調した。

 要請書を受けた平沢氏は「漁業者ら関係者の理解を得られるようにして問題を解決する必要がある」との見解を示し「どのような処分方法を取っても風評は起こりかねない。要望に沿った形で処分方法が決められるようしっかりと取り組む」と応じた。横山信一復興副大臣らが同席した。

 これに先立ち、岸氏と野崎氏は農林水産省を訪れ、野上浩太郎農相に申し入れた。2日間で5人の閣僚に直談判したが、政府は海洋放出の方針を固めており、手詰まり感がにじんだ。

 政府方針について岸氏は報道陣に「一切承知していない」とした上で「政府はわれわれの声を受け止め、国民、漁業者の理解を得られるような判断をお願いしたい」と注文した。野崎氏は「日本の全漁業者が海洋放出に反対という立ち位置で要請した。了解や理解という段階に進んでいるとは考えていない」と述べた。

 内堀知事「慎重に対応を」

 処理水の処分を巡り、内堀雅雄知事は16日、報道陣の取材に「これまで県として、漁業者や地域の皆さんの話を聞き、その上で政府へ伝えてきた。慎重にしっかり対応してほしい」と述べた。いわき市内の事業所を視察した際に答えた。