【東日本台風1年】減災に築堤重要 日大工学部、水害解析し報告

 
プロジェクトの成果を報告する岩城教授

 日大工学部は17日、郡山市の同学部で開いた市民公開のシンポジウムで、昨年の東日本台風(台風19号)で浸水した大学周辺地域の水害メカニズムの解析結果を報告した。「阿武隈川の堤防がない地区の築堤が、このエリアの減災にとって極めて重要だ」と提言した。

 同学部は東日本台風の後、土木や建築の専門家らによる「キャンパス強靱(きょうじん)化プロジェクト」を発足。水害のメカニズムや、周辺住民の避難行動などを調査している。台風から1年を機に、市民向けの報告会を開いた。

 プロジェクトリーダーを務める岩城一郎教授らが登壇。大学近くの阿武隈川と、構内を流れる徳定川から周辺地域に流れ込んだ水量を調べた結果、徳定川の内水氾濫で流入した水の約4倍に当たる約220万立方メートルが、阿武隈川の無堤地区からあふれたことが判明したと報告した。

 また、学内にある地上9階建ての教室棟を豪雨災害時の広域避難所として活用できることも報告。教室棟は、新型コロナウイルス感染症対策を取った上で約300人の避難スペースを確保でき、耐震性があって、非常用発電や雨水利用の設備もあることを説明した。今後は教室棟の避難所機能の強化や周辺住民の避難経路の確立などを進め、本年度中に最終報告書をまとめる方針。

 シンポジウムの様子は、新型コロナ対策の一環でウェブでも配信された。