処理水「情報伝わってない」 内堀知事、国民の風評影響懸念に

 

 内堀雅雄知事は26日の定例記者会見で、東京電力福島第1原発の放射性物質トリチウムを含む処理水を巡り国に寄せられた国民の意見について、安全性や風評への影響などへの懸念があったことについて「処理水の情報が十分伝わっていないことや風評対策が具体的に示されていないことが主な要因」との認識を示した。

 その上で内堀知事は「本県の農林水産業や観光業に影響を与えないよう、慎重に対応方針を検討してほしい」と政府に求めた。処理水の議論開始から約6年が経過している現状については「一つの解をシンプルに出せない難しい問題。さまざまなプロセスを経て政府自身が慎重に対応方針を検討していると考えている」との見解を示した。

 また、処分方法が決定された際、菅義偉首相の発信の必要性については「廃炉・汚染水対策は日本の最重要政策の一つであり、首相自身も強い気持ちを持っていると思う」と説明。その上で「現時点で最終的な方針を決めたという段階にはない。今後、政府としてどういった発信をするのか見極めていきたい」と述べるにとどめた。

 政府は今月中に処分方法を決定する方向で調整していたが、11月以降に見送る方針となった。書面で集まった国への4011件の意見では有力視される海洋放出への懸念が多数を占めた。風評被害の懸念も多かったことから、政府内でさらに議論を深めることが必要と判断したとみられる。