半世紀ぶり「歌舞伎屋台」復活!若い力ら再建 須賀川で継承へ

 
復活した本町歌舞伎屋台。近藤会長(左)は「若い力があったからこそ復活できた」、谷島さん(中央)と松井さんは「装飾がうまく当てはまった時には感動した」と達成感をにじませる

 須賀川市本町に明治期から伝わる町民娯楽の場「本町歌舞伎屋台」が半世紀ぶりに復活し、26日、同市の川合運輸倉庫でお披露目された。再建を手掛けたのは地元の本町町内会と日大工学部建築学科住環境計画研究室の学生ら。町内会は、若い力と再びともした伝統の火を継承、まちづくりに生かしていきたい考えだ。

 町内会によると、歌舞伎屋台は本県の一部に伝わる全国的にも珍しい移動式の舞台で、360度回転する。本町歌舞伎屋台は高さ幅ともに約5メートル、奥行き約6メートルで、ほかの屋台に比べ大型という。

 1890(明治23)年に誕生、翌年の大火で損傷したという本町歌舞伎屋台。1900年、町民の寄付でより大型の屋台として復活した。この屋台が長年須賀川の秋祭りの"顔"として活躍。しかし、68年の出番を最後に解体され、町内会の倉庫に眠っていた。

 転機は東日本大震災に伴って行った町内会の財産確認。屋台の部材が無事に残っていることが分かった。「本町歌舞伎屋台の雄姿を後世に残そう」。2016年、町内会有志らによる屋台再建プロジェクトが発足し、図面作成などで同研究室の協力を仰ぎ、作業が今年9月6日に始まった。

 部材は186個に上り、今では組み立て方が分からない。谷島慶亮さん(22)=同大4年=は「図面を作ろうにも手掛かりは写真のみ。学生でできるのかと不安だった」と振り返る。有志や学生たちは、南会津町にある屋台と比較するなど試行錯誤。松井栄里香さん(21)=同大4年=は「写真に写る部材と人の大きさの対比も参考にした」と話す。

 「若い力があったからこそ復活できたことを語り継がないと」と近藤次雄町内会長(69)。屋台は試験的な組み立てのため、11月中旬に解体される。近藤会長は「新型コロナウイルスが落ち着けば、来年の秋祭りに屋台を出したい」と、伝統の火が再び町を照らす日を信じて待つ。