風評対策徹底、国へ提言 北海道東北知事会、処理水処分法示さず

 

 東北6県と新潟県、北海道の知事でつくる北海道東北地方知事会は29日、東日本大震災からの復興に向けた国への提言をまとめた。東京電力福島第1原発で発生する放射性物質トリチウムを含む処理水の取り扱いについて、トリチウムに関する正確な情報を国内外に発信し、具体的な風評対策を示すよう求めた。

 福島市で会議を開いた。政府が処分方法の決定を目指す中、トリチウムに関する理解が国内外で進んでいない現状を踏まえ、実効性のある風評対策の必要性を訴えた形だ。今後、8道県知事の総意として提言文を国に提出する。

 政府方針の決定に向けては、環境や風評への影響などを十分に議論した上で、国民に丁寧に説明しながら慎重に検討を進めるよう求めた。具体的な処分方法については明記しなかった。

 また提言では、処理水の発生源となる汚染水について、原子炉建屋への地下水や雨水の流入を抑制し、発生量を増加させない対策の強化も指摘。確実に結果を出すよう、東電を指導することも要請した。

 処理水の処分方法を巡り、政府は今月中の決定を見送る方針。国に書面で提出された4011件の意見では、有力視される海洋放出への賛否や風評被害に対する懸念が多かった。政府内で風評対策の議論を深めることが必要と判断したとみられ、8道県知事の提言も重要な要素となりそうだ。

 提言には地域の実態に即した復興関連制度の確立や被災者の生活再建支援、原子力災害の早期収束、大震災を踏まえた防災体制強化など10項目を明記した。

 このほか会議では、2021年度以降の「第2期復興・創生期間」に向け、被災地の復旧・復興を国政の最優先課題とし、現在の特例的な財政支援や制度を継続・拡充することなどを盛り込んだ決議も採択した。