補償不透明、住宅修繕進まず 郡山・飲食店爆発事故から3カ月

 
更地となった爆発現場。周辺では住宅や店舗の修繕が進むが、いまだ爆発の爪痕が残る =29日午後3時30分ごろ、郡山市島

 郡山市島の飲食店「しゃぶしゃぶ温野菜郡山新さくら通り店」で1人が死亡、19人が重軽傷を負った爆発事故から30日で3カ月が経過した。周辺では修繕工事が進む住宅や店舗がある一方、爆発当時のままの建物もあり、いまだ爪痕が残る。県警はガス管から漏れたガスが原因とみて業務上過失致死傷の疑いで捜査しているが、責任の所在は明らかになっておらず、補償の行方についても不透明な状態が続いている。

 「元の生活に戻るまで何年かかるか」。現場近くの自宅が全壊判定を受けた男性(63)はため息をつく。10月中旬に加入していた保険が適用され、ようやく修繕工事が始まった。しかし、保険金だけでは工事代の全額にはならないという。

 住宅の壁は壊れ、応急的な壁で雨風をしのいでいる状況だ。男性は「最近は家の中にいても寒い。片付けも終わっていないので仕事もできない」と漏らした。

 現場から約20メートル離れたフォトスタジオのオーナー(33)は開店して半年だった店舗が全壊となり、まだ修繕工事にも入っていない。同じ場所で再開したい気持ちはあるが、ほかの場所も検討し始めた。「責任の所在が決まるまで誰のせいにもできない。今は自分の力で切り開くしかない」と話した。

 「しゃぶしゃぶ温野菜」をチェーン展開するレインズインターナショナル(横浜市)と店舗を運営する高島屋商店(いわき市)は爆発事故後、責任の所在が判明するまでの暫定措置として、被害に対応するための基金を設立した。

 当初の補償額は6000万円を見込んでいたが、300件を超える相談が寄せられ、補償額も当初予定を超えたという。そのため、現在は追加出資をして対応している。ただ、現在のところ支払いしているのは、治療費や見舞金、保険対象外の物的損害にとどまっている。

 ガス管設置、違法の可能性

 爆発事故では、ガス管の設置状況や維持管理が液化石油ガス法に違反していた可能性があることが29日までに、経済産業省への取材で分かった。

 関係者によると、調理場の流し台の下にむき出しの状態で設置していたガス管が腐食し、ガスが漏れ出した可能性が高いとみられている。この飲食店のガス管は「SGP白鋼管」(通称・白管)という材質だったという。経産省によると、白管はポリエチレン管などに比べて腐食に弱いとされており、液化石油ガス法で屋内の多湿部や水の影響を受ける恐れがある場所で使用しないよう定めている。