新技術の未来展望 ノーベル賞・吉野氏が講演、再エネ産業フェア

 
持続可能な社会の未来像について語る吉野氏

 ノーベル化学賞受賞者で旭化成名誉フェローの吉野彰氏は29日、郡山市で講演し、リチウムイオン電池や人工知能(AI)などの新技術がもたらす持続可能な社会の未来像について語った。

 県と県産業振興センターが開いた再生可能エネルギー関連産業の展示会「ふくしま再生可能エネルギー産業フェア」(REIFふくしま)の特別講演で登壇した。

 吉野氏は「リチウムイオン電池が拓く未来社会」と題して講演。リチウムイオン電池の開発によって2019年にノーベル賞を受賞した理由について、モバイルIT社会実現への貢献を評価されたと共に、サステナブル(持続可能な)社会実現への大きな「期待」を寄せられたと振り返った。

 持続可能な社会の実現に向けて、「環境問題と経済性、利便性を両立させることが必要。図式はシンプルだ」と説明。現在を必要な技術が生まれるための準備期間とし、「2025年には要素技術がそろい、世界がサステナブル社会の実現に向けて一斉にスタートを切る」との見通しを語った。

 具体例として、AIを搭載した電気自動車「AIEV」が普及した未来社会について説明。AIEVは自動運転で、人々は車を所有せず、必要な時だけ呼び出して使う。IoT(モノとインターネット)で飲食店や病院、会社などともつながるほか、環境問題への貢献や、過疎地での移動手段の確保、蓄電システムとしての活用も期待されるという。

 また、AIEV普及によって「MaaS」と呼ばれる次世代交通サービスの巨大産業が生まれる展望についても語った。