「木戸川サケ漁」楢葉で始まる 遡上減少、販売所は休止の方針

 
やな場からサケを出す地元漁業者=30日午前、楢葉町

 サケの遡上(そじょう)地で知られる楢葉町の木戸川で30日、木戸川漁協による本格的なサケ漁が始まった。昨年10月の東日本台風で壊れたやな場を再建してから初のサケ漁シーズンを迎え、関係者が漁業再生へ再び歩み始めた。

 サケ漁は、東日本大震災、東京電力福島第1原発事故後6年目。今年は2017年に震災後で最多の放流数となる稚魚440万匹が戻ってくる年に当たる。初日は漁協関係者がやな場や地引き網漁で約20匹を捕獲した。

 一方、川幅いっぱいに網を広げてサケを追い込む伝統の「合わせ網漁」では1匹も網にかからなかった。同漁協によると、震災前は合わせ網漁で大量に捕獲していたが、震災で一時稚魚の放流が途絶えたことや、温暖化の影響で遡上数が減少しているという。

 同漁協は、今シーズンは十分に流通できる量を確保できないと見込み、販売所の営業を休止する方針。捕獲したサケの大半は採卵とふ化に回すという。同漁協鮭ふ化場長の鈴木謙太郎さん(38)は「木戸川のサケを楽しみにしていた住民に申し訳ない気持ちでいっぱいだが、まだ漁のシーズンは続く。来年の放流量を増やせるよう少しでも漁獲したい」と話した。