福島県内「初詣」...願いは『密』回避 神社など感染症対策検討

 
参拝者でにぎわう今年の福島稲荷神社の初詣の様子。来年の正月は、例年とは違う参拝風景になりそうだ

 年末年始の初詣や帰省による大幅な人出増を回避するため、政府が休暇延長や分散取得などの対応策を求める提言をまとめる中、県内の神社などでも新型コロナウイルス感染防止に向けた検討が進む。「鈴緒(すずのお)」がない拝殿や、人と人との間隔が空いた参拝者の列―。来年の正月は、例年とは違った初詣風景になりそうだ。

 遅い参拝に特典

 毎年県内外から10万人以上が訪れる福島市の福島稲荷神社は、拝殿の鈴を鳴らす綱「鈴緒」の撤去を予定している。不特定多数の参拝者が触れるため、感染のリスクが高まるためだ。同神社によると、鈴を鳴らさなくても「二礼二拍手一礼」をすれば参拝の作法としては問題ないという。

 同神社はほかに「3密」回避のため祈祷(きとう)を予約制とする方針。また1月15日以降に参拝に訪れた人には、特別なお守り「割り札」を配布し、参拝者の分散を図る。

 感染対策で、参拝前に手や口を洗う手水舎(てみずしゃ)のひしゃくは既に撤去しているという。宮司の丹治正博さん(65)は「早めに準備しているが、状況は流動的。状況に応じて新たな参拝方式を進めていく」と話す。

 秒読みの声出さず

 例年、三が日に約23万人が訪れる郡山市の開成山大神宮も、ピーク時に1キロ近い列ができる参拝者の密集防止対策を検討している。間隔を空けるよう呼び掛け、開成山公園側に列を流すなどの対策を図る予定という。

 また年越しの瞬間は参拝者がカウントダウンで新年を祝う光景が恒例だが、今年は声を出さないよう呼び掛ける。宮司の宮本孝さん(59)は「新年に初めてお参りする日がそれぞれの『初詣』。元日にこだわらず、長い期間で考えてほしい」と、混雑を避けた参拝を呼び掛ける。

 県神社庁は、新型コロナ対策の手引となるガイドラインを作成し、各神社に配布した。参拝者同士の距離確保などのほか、臨時のさい銭箱設置など3密防止を呼び掛けている。

 人気の福袋も予約販売に

 正月に向け、初売りやイベントなどの関係者も新型コロナ対策の検討を急ぐ。

 郡山市のうすい百貨店は今年、初売りで1日当たり約2万2000人の買い物客が訪れた。特に人気を集めるのは福袋の販売。来年は密集防止のため、福袋の事前予約などの対策を検討しているという。同百貨店販売促進課の菅野俊広マネジャーは「安心して買い物を楽しんでもらえるよう、感染対策に配慮したい」と話す。

 会津若松市の鶴ケ城では毎年12月31日から元旦にかけて天守閣に登る「元旦登閣」が行われ、例年1400~1500人前後が参加する。主催者は今回、来場者にマスク着用を義務付け、滞在時間短縮のため登閣開始時刻を午後11時30分から午前0時に遅らせる予定。ほかにも、イベントの一部中止を検討している。

 施設を管理する会津若松観光ビューローの渡部健志天守閣管理課長は「安全、安心に元旦登閣を楽しんでいただけるようにしたい」と話す。