災害に強い「組織力」 YMC郡山セミナー、丸谷浩明教授講演

 
事業継続力を向上させる取り組みについて解説する丸谷氏

 福島民友新聞社、読売新聞社、福島中央テレビによるYMC郡山セミナー(代表幹事・滝田康雄郡山商工会議所会頭)は2日、郡山市のホテルハマツで講演会を開いた。東北大災害科学国際研究所の丸谷浩明教授(61)が、企業や自治体が災害時の対応を前もって決めておく事業継続計画(BCP)について解説した。

 丸谷氏は、東日本大震災をはじめ熊本地震や西日本豪雨、昨年の東日本台風(台風19号)などで被災した自治体や企業の対応を紹介。自身が被災自治体などのBCP策定に携わった経験を踏まえ、代替拠点やサプライチェーン(調達・供給網)の確保など災害に対する備えの重要性を強調した。新型コロナウイルスなど感染症に対するBCPの在り方についても解説した。

 感染拡大防止のため、講演会は一般聴講者を募集せず会員のみの参加とし、約30人が聴講した。

 【講演要旨】事業継続できる準備必要

 「防災」と「BCP」は異なるということを明確にしてポイントを示したい。防災とは人の身体・生命と資産を守るため、避難誘導や逃げ遅れた人の把握、災害時の対応体制、ハザードマップの確認、安否確認を確実にする方法などを決めておくことだ。

 BCPは事業継続力を向上させるための取り組み。その一つとして、災害発生直後に連絡すべき相手先のリストを作っておくことが重要だ。これには、販売先が他企業からの調達に切り替えるのを止めたり、購買先が別企業に売るのを止めたりする目的がある。連絡する趣旨も含めて詳細な一覧表を作り災害対策本部が管理しておくことで、担当者が動けない場合にも相手先に漏れなく連絡できる体制をつくり、取引を切られるなどのリスクを減らす。災害時にも使える連絡手段も考えておく必要がある。

 ほかにも、重要な情報のバックアップや、優先して復旧させる事業の決定、拠点が使用不能になった場合の代替拠点や方法をイメージしておくことが大切だ。組織トップの強いリーダーシップも求められる。

 大被害を受けた場合に必要な額を大まかに想定し、資金確保の方法をイメージすることも重要になる。新型コロナウイルス感染症の影響で、需要低下による経営不振に直面する業種も多い中、需要が増えそうな仕事に切り替えたり、そこに人を異動させたりというプランをBCPに盛り込めないか、という研究も進めている。