望む場所で最期を...注目高まる『看取り士』 コロナで面会制限増

 
「看取り士」の取り組みを紹介する氏家さん

 大切な人が幸せな最期を迎えられるようサポートしたい―。余命宣告された人などの最期に寄り添う「看取(みと)り士」の活動が、県内でも広がりつつある。郡山市で今春発足した看取り士の組織「看取りステーションふくしま」の所長氏家美千代さん(63)=郡山市=は「幸せな最期を迎えられるよう、少しでもお手伝いができれば」と話す。

 看取り士は、岡山市に本部を置く「日本看取り士会」が創設した民間資格で、同会の養成講座を経て認定される。依頼者の自宅などに赴いて一緒に家族の死に立ち会ったり、臨終前後の作法を伝えたりする。

 医療行為や介護には関与しないが、死期が迫った人が穏やかに最期を迎えられるよう力を尽くす。身寄りのない人や家族と離れて暮らす人のため、夜間の付き添いや見守り活動も行う。利用料は1時間8800円など。

 同会などによると、全国には約1200人、本県には24人の「看取り士」がいる。少子高齢化に加え、新型コロナウイルスの影響で自宅での看取りを検討する人が増えている。病院や介護施設の面会制限により、最期の時間に立ち会えないケースが増えたことなどが要因という。

 看取りステーションふくしまは同会の支部組織として5月に発足した。全国には約10の支部組織があるが、東北では本県のみ。高齢化や新型コロナの背景に加え、本県は原発事故による避難で家族が散り散りになったり、仮設住宅などでの孤独死が相次いだりしたケースもある。

 氏家さんは「住み慣れた自宅や本人の望む場所での最期をサポートする看取り士の取り組みが広がれば」と話す。

 11月20日上映会

 看取りステーションふくしまは3日、郡山市で映画「みとりし」の上映会を開き、県民に看取り士の取り組みを紹介した。上映会は12月20日午後1時45分から、伊達市ふるさと会館でも開かれる。映画と併せて、日本看取り士会の柴田久美子代表や主演の榎木孝明さんらによる鼎談(ていだん)の様子も放映する予定。問い合わせは看取りステーションふくしま(電話080・3210・1160)へ。