赤字続く「医療機器センター」...福島県、最大23億円支出を検討

 

 医療機器産業の集積を進めるため、県が郡山市に開設したふくしま医療機器開発支援センターを巡り、県が2021~25年度の5年間の運営費として最大23億6900万円の支出を検討していることが5日、関係者への取材で分かった。県は本年度までの5年間で同センターに23億7000万円を投じているが、利用の伸び悩みと新型コロナウイルス感染拡大の影響で収益の改善が見通せず、同規模の予算措置が必要と判断した。

 県は12月定例県議会に、必要経費を5年間の債務負担行為として確保するための議案と、期間中の指定管理者を引き続き「ふくしま医療機器産業推進機構」(郡山市)とする議案を提出する方針。

 同機構が策定する5年間の収支計画に基づき、21年度以降の各年度の当初予算案に5億2700万~4億4400万円を計上、指定管理委託料として同機構に支払う見通しだ。

 同センターは、医療機器の開発から事業化までを一体的に支援する施設として16年11月、国の補助金約134億円を投じて開設。生物学や電気、物理、化学など多様な分野の安全性評価を1カ所で行うことができる国内初の拠点で、県が本県復興の柱とする医療機器関連産業集積の中核施設に位置付けられている。

 しかし、実質的に初年度だった17年度の収入は、県が想定した2億8000万円を大幅に下回る4200万円にとどまった。県などは本年度末までの経営改善計画を策定し、施設の試験料金の値下げ、医療機器の評価試験に関する国際認証の取得などで利用促進を図ってきた。

 しかし、18、19両年度の収益も計画の目標に届かず、4億円以上の赤字を県からの指定管理委託料で補う状態が続いていた。

 本年度は福島・国際研究産業都市(イノベーション・コースト)構想や同センター周辺に関連産業を集積する郡山市の「メディカルヒルズ郡山基本構想」と連動した取り組みを計画、施設の利用拡大を見込んでいたが、新型コロナの影響で利用が制限され、減収が見込まれるという。同センターの関係者は「収益が上がれば、県が計上する運営費は大幅に圧縮できる。期待が大きい施設だけに、今後の経営努力が必須」としている。