東邦銀行、大東銀行「黒字」確保 中間決算、統合は3行否定的

 

 東邦、福島、大東の県内3地銀は13日、2021年3月期第2四半期(20年4~9月)連結決算を発表した。新型コロナウイルスの影響で、福島は純損益が22億7400万円の赤字(前年同期は2億7300万円の黒字)となった一方、東邦は純利益が9億1700万円(前年同期比63.9%減)、大東は5億6000万円(同17.5%増)と黒字を確保した。新型コロナで業績が悪化した地銀の再編を後押しする日銀の新制度を巡っては、3地銀のトップはいずれも経営統合に否定的な考えを示した。

 福島は新型コロナに伴う株価下落で発生した有価証券の評価損を一掃したため赤字となったが、本業収益で黒字を確保した。

 東邦は長期化する日銀のマイナス金利政策を背景とした有価証券利息収入の減少や国債などの債券売却益の減少で減収減益。新型コロナで打撃を受けた経済が回復基調となる時期を来年度以降と見込み、取引先の業績悪化に備える与信関係費用も増やした。

 大東は新型コロナの資金繰り支援に伴い貸出金利息が増加したほか、経費削減などで増収増益となった。

 銀行の健全性を示す自己資本比率(連結ベース)は大東が10.32%、東邦が9.22%、福島が7.92%で、いずれも国内基準(4%)を上回っている。

 日銀は20~22年度の3年間の時限措置として、経営統合を決めた銀行などに日銀に預けている当座預金の残高に年0.1%の上乗せ金利を支払い、事実上の「補助金」を出す。経営統合しなくても、日銀が定めた収益力強化の基準を達成すれば支援の対象となる。

 新制度について、東邦の佐藤稔頭取は「規模拡大の利点はあるが、経営統合にはコストや負担もある。今の段階では具体的に考えていない」と説明。「足元では厳しい状況にあるが、単独で経営できないわけではない。生き残るため体制を構築したい」と強調した。

 福島の加藤容啓(たかひろ)社長は「経営統合や収益改善、コスト削減などに対応する地域金融機関を支援する制度で有用な施策だ。経営統合は今のところ考えていないが、制度の利用については検討したい」と語った。

 大東の鈴木孝雄社長は制度を利用できた場合、年間5000万円程度の金利が付与されるとの概算を示し、「地銀にとって追い風だ。コスト削減の方で利用を検討したい」と話した。ただ、「一つの支援策だと思っている」と述べ、経営統合を検討する決め手にはならないとの認識を示した。