教員の指導力底上げ 情報通信技術、福島県教委が研修開催へ

 

 新型コロナウイルスの感染拡大により教育現場で情報通信技術(ICT)を活用した学習の需要が一層高まる中、文部科学省による「教員のICT活用指導力」実態調査で、本県の順位が全国的に下位にとどまった。ICT教育の充実に向け、県教委は今月から教員を対象にした研修を開き、指導力の底上げを図る。

 文科省の調査(2019年度速報値)では、パソコンやインターネットなどを活用した指導に関する各項目について全国の公立学校の教員が自己評価した。本県はパソコンなどを使った資料作成や学習状況の記録などに関する「教材研究・指導の準備・評価・校務などにICTを活用する能力」、パソコンやプロジェクター、学習ソフトなどを「授業に活用し指導する能力」がともに42位にとどまった。

 児童、生徒にパソコンの基本操作や情報収集法などICT活用を指導する能力は38位、インターネットのルールやマナーなど「情報活用の基礎知識」を教える能力は33位。これらに関する研修を受講した教員の割合も45位と低迷した。県教委は「震災と原発事故の影響で、ICT環境の整備が後回しになった面がある」(教育総務課)としている。

 研修について、県教委は「児童、生徒一人一人の特性に応じた使い方ができるようにしたい」(義務教育課)とする。小中学校向けには、先進校でのICTを活用した授業の様子の見学や参加者同士の意見交換などを県内7地区で実施。高校向けにはグーグルの担当者を講師に招き、参加教員が端末を実際に操作しながら活用方法を学ぶ実践的な研修を予定している。

 調査では、公立学校のICTに関するハードの整備状況も示された。本県は普通教室の無線LAN整備率が30.4%で44位、プロジェクターや電子黒板といった大型掲示装置の整備率も33.0%で45位と遅れが目立った。県教委は本年度中に全県立高に無線LAN環境を整備した上で、生徒の所有するスマートフォンなどの端末を学習に活用する方針。経済負担への配慮や学内でスマホを利用することを踏まえたルール作りなどの検討も進めている。

 ふくしま学びのネットワーク事務局長を務める福島大教育推進機構の前川直哉特任准教授(43)は「子どもたちがITスキルを学ぶ重要性が高まっており、教員への研修は必要」とした上で「ICT教育の導入で新たな仕事が増えるのであれば、これまでの仕事の負担を減らす必要もある。ICTを通じ何ができるか考える余裕を持てることが大切だ」と指摘する。