福島と台湾の架け橋に...事業スタート SNS「団員」1万人目標

 
16日から本県の魅力を発信する参加メンバー

 台湾と本県をつなぐ新たな交流プロジェクト「福島前進 Pop Up Fukushima」が16日から本格始動する。台湾の若者が本県を訪れたり、現地で食文化を紹介するイベントを開いたりして、会員制交流サイト(SNS)でつながる台湾コミュニティー「福島前進団」の設立を図る。団員数は1万人を目指しており、交流人口の拡大や風評の払拭(ふっしょく)につなげていく構えだ。

 11月16日から県内ツアー

 事業を主催するのは被災12市町村で復興支援事業などを手掛けるNPO法人元気になろう福島(川内村)。本県は東日本大震災と東京電力福島第1原発事故の被災地のイメージが強いが、草の根で福島の現状や魅力を伝えていきたいという思いで企画。台湾の各種団体の協力を得て活動する。

 最初の取り組みとして16~21日、在日台湾人5人が県内を巡るツアーを行う。メンバーは応募した約30人から選ばれた。それぞれが農産物や観光など、四つのテーマに分かれ、視察や地元住民との対話を通じて発見した本県の魅力をフェイスブックなどで発信する。

 参加メンバーの5人は15日に福島市で会見し、抱負を語った。

 沖縄県在住で台湾にルーツを持つ白石えりかさん(31)は「映画『Fukushima50(フクシマフィフティ)』を見て闘う従業員の姿に感動した。何か福島のために貢献したいと思った」と参加の動機を語った。首都圏で台湾に関するイベントを企画する広告代理店社長の男性は「台湾人だからこそ気が付く福島の魅力を見つけたい」と意気込んだ。

 台湾でのイベントは12月、台北での開催を予定している。県産日本酒の約50銘柄を使った利き酒会、NHK連続テレビ小説「エール」のモデルになった福島市出身の作曲家古関裕而のPRなどを展開する。

 観光庁の宿泊旅行統計によると、昨年の訪日外国人の国・地域別宿泊客数で台湾は中国に次ぐ2位の1237万人。原発事故前は、県産農産物の主な輸出先としても知られている。

 しかし、原発事故後は本県を含む5県の食品の輸入規制が続くなど、関係が変化した。元気になろう福島理事長の本田紀生さん(63)は「交流の中で風評が払拭され、輸入制限の解除につながってくれればいい」と期待した。