地下水から「トリチウム」検出 第1原発敷地外、基準値下回る

 

 東京大などの研究グループは16日、2013(平成25)~19年の7年にわたり東京電力福島第1原発の敷地外を調べた結果、地下水から1リットル当たり平均約20ベクレルの放射性物質トリチウムを継続的に検出したと発表した。環境へ放出できる基準(1リットル当たり6万ベクレル)は下回っているが、天然に存在する値を超えており、同グループは「より厳重な監視が必要」と指摘している。

 トリチウムが検出されたのは、グループが定点観測している原発敷地外の10カ所のうち、敷地境界から南に約10メートルの内陸部と、南に約300メートルの海岸沿いの2地点。最大値は17年5月の1リットル当たり31ベクレル、最小は13年12月の同15ベクレルだった。東電が敷地内で施した汚染水対策の前後でも濃度の変化がないため、原発敷地内からの漏えいではなく、対策前の13~14年に敷地内のタンクから漏れた高濃度汚染水や、事故初期に原子炉建屋から染み込んだ地下水が原因とみられるという。

 東京大大学院総合文化研究科の小豆川勝見助教ら8人が研究結果をまとめ、英国のネイチャー出版グループが発行する学術誌「サイエンティフィック・リポーツ」で発表した。

 研究グループは「敷地外に継続してトリチウム水が漏れ出ている状況はより事態を複雑化、深刻化する要因になる。監視体制を海側に限らず、陸側でも強化する必要がある」としている。