「放射線に不安感じている人サポート」 共同大学院修了・大戸さん

 
「放射線に不安を感じている人をサポートしていきたい」と話す大戸さん(左)。右は長谷川教授

 東日本大震災と東京電力福島第1原発事故の教訓を次世代に生かそうと福島医大と長崎大が設置した共同大学院。災害医療や被ばく医療を学んだ修了生は今年3月時点で24人に上り、さまざまな分野で活躍している。福島医大先端臨床研究センターに勤務する専門看護技師大戸実さん(48)もその1人。「大学院で学んだ知識を生かして、放射線に不安を感じている人をサポートしたい」と意欲を語る。

 原発事故当時、郡山市の総合病院に勤務していた大戸さんは救急外来で放射線への不安を抱えた患者の対応に当たった。この経験から「放射線に関する知識を高め、自分の経験を後世につなぎたい」と考えるようになり、2017(平成29)年4月、共同大学院の2期生として入学。看護師としての仕事の傍ら、放射線の基礎知識や放射線を扱った検査、災害医療などについて2年間学んだ。修了後、大戸さんは学んだことを生かして福島医大で放射性薬剤を使った検査などに携わる。「放射線への不安を抱えている人は原発事故から10年となる今もいる。大学で学んだ知識を還元していきたい」と見据えた。

 共同大学院で大戸さんを指導した福島医大放射線災害医療学講座の長谷川有史教授(52)は「大戸さんの経験と知識と技術は貴重だ。共同大学院は原爆を経験した長崎が培ってきた成果と、福島の体験を学び合える場になっている」と語る。

 大学院は16年に開設され、大学院生はテレビ会議システムで長崎大の教員の講義を受講するなどしている。医学科コースと保健看護学コースがある。今月18日まで来年4月入学の院生を募集している。問い合わせは教育研修支援課入試係(電話024・547・1093)へ。