「新たな生活様式」対応に知恵絞る!磐梯熱海温泉...営業在り方

 
館内のアルコール消毒を行う菅野常務

 郡山市の磐梯熱海温泉は新型コロナウイルスの影響で一時、宿泊客が大幅に減少したが、GoToトラベルキャンペーンなどの追い風に乗り、にぎわいが戻ってきている。一方で、団体客の減少などによる収益減や、感染防止対策のための作業増などもあり、各温泉施設は「新たな生活様式」に沿った営業の在り方に知恵を絞る。

 同温泉では、県の緊急事態宣言を受けて全体の9割が臨時休館などの対応を取った。解除後の6月には約8割の旅館が通常営業を再開したが、客足は例年に比べて大幅に減少した。しかし県民の宿泊費を補助する「県民割」や、全国的にGoToトラベルキャンペーンが始まったことで風向きが変わった。磐梯熱海温泉観光協会によると、年内の休日や年末年始の予約が取りづらくなっている施設は多くなっており、平日も年配の方を中心に宿泊客が多数来ているという。

 ただ「コロナ後」は個人客が中心となり、利益の出しやすい団体客は少なくなった。さらにコロナ流行の第3波への懸念もあり、観光業の先行きは見通しが不透明となっている。

 ホテル華の湯常務・総支配人の菅野豊臣氏に聞く

 磐梯熱海温泉で有数の規模を誇るホテル華の湯は5月下旬に営業を再開後、さまざまなコロナ対策を講じてきた。菅野豊臣常務・総支配人(47)に取り組みについて話を聞いた。

 ―宿泊客数の推移は。
 「再開後しばらくは、お客さまより従業員のほうが多いような状況が続いた。その後、県民割が開始されたことで若干盛り返してきた。GoToが本格的に始まった10月は、東日本台風の影響で例年より客足が減った昨年と比べて9割まで戻ってきた」

 ―館内でどのようなコロナ対策を行っているか。
 「食事会場の座席の間隔を空けたり、個室食にも対応したりできるようにした。使い捨てのマスクケースや、食事中の会話で飛沫(ひまつ)が飛ばないよう口元を隠すためのうちわもオリジナルで作った。お客さまに対し、宿泊前日までに電話での体調確認も徹底して行っている。すべては安心して宿泊してもらうためだ」

 ―苦労した点は。
 「GoToへの問い合わせが殺到し、事務作業は大幅に増えている。個人客が増えている中、労働生産性の改善や事務のIT化に向けた取り組みも課題となっている」

 ―今後の見通しは。
 「政府や自治体による施策が行われている今は特例中の特例だ。それが終わった時のことを考えて、施設のファンを増やしていくことが大切。旅館業は裾野の広い地域産業だ。地域を盛り上げるために施設の魅力を磨いていきたい」